牛肉が高くなった。豚肉に移った。豚肉が高くなった。鶏肉に移った。その鶏肉が、今度は過去最高値になった。
わたしはこの流れを見て、「剥ね」と思ったの。
山地剥——一枚ずつ剥がされていく卦
山地剥。第23卦。上が艮(山)、下が坤(地)。大地の上に山があるけれど、その山が少しずつ崩れ、地に落ちていく。「剥」とは「剥がされる・剥落する」こと。一枚ずつ、確実に。
卦の形を見てね。六爻のうち、上に一つだけ陽爻(⚊)があって、残り五つはすべて陰爻(⚋)。陰が下から積み上がって、最後に残った一つの陽を剥がそうとしている——これが剥の形よ。
食卓の「逃げ場」が、まさにこの形で剥がされているの。
「往くところに利なし」
剥の卦辞はこう言う——「剥は往くところに利なし」。
どこへ行っても利がない。牛肉から逃げて豚肉へ、豚肉から逃げて鶏肉へ——その行為自体が鶏肉の値段を上げる。節約しようとする動きが、節約の対象を高くする。剥の時代とはこういうものよ。
農相は「節約志向で需要がシフトしたから高くなった」と言った。それはそうかもしれない。でも本当のことを言えば、円安で飼料が高くなったから、どの肉も軒並み上がっているのよ。シフト先がなくなっているの。
剥の時、上に立つ者がすべきこと
剥の象辞はこう言う——「山附地上、剥。上以厚下安宅」。山が地に落ちていく時、上に立つ者は下の民を豊かにし、その住まいを安定させなければならない。
「節約志向のせい」という説明は、下の民を豊かにする言葉じゃないわ。剥の時に求められるのは、現象の説明より原因への対処ね。
易子先生のひとこと
剥の卦のあとには、第24卦「地雷復」が来る。復は「戻ること・再生すること」の卦よ。
剥は終わりじゃない。一枚ずつ剥がされた先に、必ず「復」の萌芽がある——易はそう言っているの。
ただ、今は剥の真っ只中。逃げ場を探すより、剥の原因を直視することが先よ。
神龍易子と読み解く
易の案内役 神龍易子
牛肉が高くなった。豚肉に移った。豚肉が高くなった。鶏肉に移った。その鶏肉が、今度は過去最高値になった。
わたしはこの流れを見て、「剥ね」と思ったの。
山地剥——一枚ずつ剥がされていく卦
山地剥。第23卦。上が艮(山)、下が坤(地)。大地の上に山があるけれど、その山が少しずつ崩れ、地に落ちていく。「剥」とは「剥がされる・剥落する」こと。一枚ずつ、確実に。
卦の形を見てね。六爻のうち、上に一つだけ陽爻(⚊)があって、残り五つはすべて陰爻(⚋)。陰が下から積み上がって、最後に残った一つの陽を剥がそうとしている——これが剥の形よ。
食卓の「逃げ場」が、まさにこの形で剥がされているの。
「往くところに利なし」
剥の卦辞はこう言う——「剥は往くところに利なし」。
どこへ行っても利がない。牛肉から逃げて豚肉へ、豚肉から逃げて鶏肉へ——その行為自体が鶏肉の値段を上げる。節約しようとする動きが、節約の対象を高くする。剥の時代とはこういうものよ。
農相は「節約志向で需要がシフトしたから高くなった」と言った。それはそうかもしれない。でも本当のことを言えば、円安で飼料が高くなったから、どの肉も軒並み上がっているのよ。シフト先がなくなっているの。
剥の時、上に立つ者がすべきこと
剥の象辞はこう言う——「山附地上、剥。上以厚下安宅」。山が地に落ちていく時、上に立つ者は下の民を豊かにし、その住まいを安定させなければならない。
「節約志向のせい」という説明は、下の民を豊かにする言葉じゃないわ。剥の時に求められるのは、現象の説明より原因への対処ね。
剥の卦のあとには、第24卦「地雷復」が来る。復は「戻ること・再生すること」の卦よ。
剥は終わりじゃない。一枚ずつ剥がされた先に、必ず「復」の萌芽がある——易はそう言っているの。
ただ、今は剥の真っ只中。逃げ場を探すより、剥の原因を直視することが先よ。
神龍易子は「易のいろは」のオリジナル案内役です。