易のいろは

八卦の一つ・雷を表す震

震(しん)とは

震(しん)は、下の一本が陽爻、上の二本が陰爻の八卦で、雷を象徴します。『説卦伝』では「動」、動くことと説明されます。

震しん・雷

震の三爻の形

下から上へ、陽・陰・陰と読みます。切れ目のない陽爻が一番下にある形です。陽爻が一番上にある艮と見比べると、一本の位置による違いが分かります。

下から読む順:陽・陰・陰

一本の爻を、下から上へ読みます。

雷を表す震と「動」

『説卦伝』は震を雷に対応させ、卦名を「動」と説明します。『周易正義』の注疏では、雷が万物を奮い動かすことと結びつけています。雷という象と、動くという働きを合わせて覚えると、形だけを暗記するより理解しやすくなります。

出典:『説卦伝』第七章・第十一章。説明は『周易正義』説卦巻九之七を参照。

三爻の八卦と六爻の卦を分けて読む

震為雷は、上卦も下卦も震でできた六十四卦の一つです。震が含まれることだけから、突然の出来事が起こると決めることはできません。

第51卦 震為雷(しんいらい)を読む

『説卦伝』に見られる対応

『説卦伝』には、八卦を家族・身体・動物などに対応させる記述があります。以下は、その中の代表的な対応です。自然界や人間を象徴的に捉える古典の表現として読みます。

『説卦伝』では、震を家族では長男、身体では足、動物では龍に対応させています。龍は古典の象徴として読むもので、現実の動物の分類や自然現象の説明ではありません。

以下の「理解の手がかり」と挿絵は、対応を覚えるための易のいろはによる現代向けの説明です。古典本文に配当の理由がそのまま書かれている、という意味ではありません。

家族:長男

古典上の対応『説卦伝』では、震を長男に配します。

理解の手がかり長男は、この家族の配当で最初の息子にあたります。一番下の陽爻から上へ目を動かすと、「動く」という語と形を結びつける手がかりになります。

身体:足

古典上の対応『説卦伝』では、震を足に配します。

理解の手がかり足は、立つ、踏み出すといった動きを身近に感じられる部分です。震の「動」を、最初の一歩として思い浮かべてみます。

動物:龍

古典上の対応『説卦伝』では、震を龍に配します。

震の動物象:龍

震の動物象を表す東アジアの龍のイラスト
理解の手がかり

身を起こす龍の姿に、静かな状態から動きが生まれる様子を重ねます。龍は想像上の生き物であり、この情景は雷の科学的な説明ではありません。

対応の出典:『説卦伝』第八章(動物)・第九章(身体)・第十章(家族)。図と「理解の手がかり」は当サイトの編集によるものです。

方位や五行を調べるときは

八卦の方位は、先天八卦・後天八卦など、どの配置を見るかによって異なります。五行との対応も、八卦の三本の線とは別に、使われる体系を確かめて読む情報です。まずは形と代表的な自然象を押さえ、全体の比較は「八卦とは」で確認してください。

八卦全体の象徴を比べる

震と六十四卦の関係

震を上卦に持つ六十四卦は八つ、下卦に持つものも八つあります。上が震・下が巽なら雷風恒、上が巽・下が震なら風雷益です。雷と風のまとまりを、六本の上半分と下半分に見つけてください。

上卦は六本のうち上の三本、下卦は下の三本です。上下が同じ八卦の卦は両方の一覧に入るため、二つの一覧の重複を除くと15卦になります。それぞれの卦の言葉は、リンク先の解説で読めます。

陰陽を反転して比べる:震と巽

三本の位置を保ったまま陰と陽をすべて入れ替えると、もう一つの形になります。二つを並べて違いを確かめてみましょう。

前の艮との比較では陽爻の位置を見ました。ここでは上下の位置を動かさず、各段の陰陽を反転させて巽と比べます。

学んだ三本を、六本の卦で確かめる

自分の問いで卦を立てたら、上と下の三本ずつに分け、卦の言葉を読んでみましょう。

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