上卦 乾
上九
九五
九四
下卦 乾
九三
九二
初九

けんいてん · 第1卦 · 上経

乾為天

The Creative / Heaven

卦辞

乾、元亨、利貞

けん、げんこう、りてい

乾は大いに亨り、貞しきに利し

創造 剛健 陽気の極み 前進 大吉
神龍
易子
神龍易子先生より

あなた、乾為天の意味を知りたいのね。それは正解よ——易を学ぶなら、まずここから始めるべきだと、わたしはいつも思っているわ。

乾為天はね、易のすべての卦の中で、もっとも陽の力が充ちた卦。天の徳そのもの——創造し、動かし、万物を育てる力を象徴しているの。

「乾」の本質は、ただ強いことじゃないのよ。龍が地に潜み、田に現れ、やがて天へ飛ぶように、正しい時に正しく動くことが「乾」の智慧。その段階を示すのが六つの爻なの。ひとつひとつ読んでみてね。

乾為天とは

乾為天(けんいてん)は、易経・六十四卦の第一卦です。上卦・下卦ともに「乾(☰)」——天を象徴する三本の陽爻からなる三爻が重なり、六本すべてが陽爻という、純粋な陽気の極みを示す卦です。

「乾(けん)」は天そのものを意味し、創造・剛健・始まりを象徴します。万物の始まりを告げる卦として、易経は乾為天を第一番に置きました。その対となる第二卦「坤為地(☷☷)」が大地・受容・母を表すのに対し、乾は天・陽・父の原理を体現しています。

卦辞の「元亨利貞(げんこうりてい)」は、乾の四徳を表す言葉です。「元」は根源・始まり・善の長、「亨」は通達・成長、「利」は調和・収穫、「貞」は正しさ・貞固さを意味します。これは自然界における春・夏・秋・冬の循環にも対応し、創造から完成に至るまでの宇宙の根本法則を示しています。

この卦が出たとき、大きな創造のエネルギーが動いているサインです。ただし、その力を正しい方向に——「貞」の精神で——用いることが成功の鍵となります。

卦辞の解説

原文(周易)

乾、元亨、利貞

けん、げんこう、りてい

乾は大いに亨り、貞しきに利し

元(げん)——根源・始まり
すべての善の根源であり、万物の始まりを意味します。天が万物を産み出す創造力の本質です。

亨(こう)——通達・成長
物事が滞りなく通じ、成長・発展していくことを表します。陽気が満ちて、すべての命が育つ夏の力です。

利(り)——調和・収穫
万物が調和し、それぞれが本来の役割を果たすことで得られる恵みです。秋の実りに象徴されます。

貞(てい)——正しさ・貞固
正しい道を固く守ること。冬が命を内に蓄えるように、本筋を守り抜く力です。この四徳が揃うとき、乾の力は最大に発揮されます。

六爻一覧

爻辞 よみ・意味 吉凶

第六爻

上九

亢龍、悔あり

こうりゅう、くいあり

天高く上り過ぎた龍は後悔する。盛者は必衰を知るべし

小凶 爻辞の解説を見る

第五爻

九五

飛龍、天に在り。大人を見るに利し

ひりゅう、てんにあり。たいじんをみるによろし

飛龍が天を駆ける。理想的な状況で力が最大に発揮される時

大吉 爻辞の解説を見る

第四爻

九四

或いは躍って淵に在り。咎なし

あるいはおどってふちにあり。とがなし

飛ぶか潜るか——選択の岐路に立つ。どちらも誤りではない

爻辞の解説を見る

第三爻

九三

君子、終日乾乾す。夕べに惕若として、厲なるも咎なし

くんし、しゅうじつけんけんす。ゆうべにてきじゃくとして、はげなるもとがなし

一日中精進し続けることで、危うきも乗り越える

中吉 爻辞の解説を見る

第二爻

九二

見龍、田に在り。大人を見るに利し

けんりゅう、たにあり。たいじんをみるによろし

田に現れた龍。力が世に認められ始める好機

爻辞の解説を見る

第一爻

初九

潜龍、用うるなかれ

せんりゅう、もちうるなかれ

地に潜む龍。今はまだ力を表に出す時ではない

小吉 爻辞の解説を見る

構成する八卦

関連する卦

神龍
易子
神龍易子先生より

乾為天は「始まりの卦」よ。でも、始まりって、もうすでに何かが動いている証拠でもあるの。

わたしがこの卦に学んだことはね、「龍は自分の時を知っている」ということ。焦らなくていい。準備している人間のところに、必ず天の気は降りてくるわ。

六爻それぞれに「龍の物語」があるの。初九の潜龍から上九の亢龍まで——どれもあなたの人生のどこかにある場面よ。じっくり読んでみてね。

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