易のいろは

易を知る I CHING METHODS

易の占い方

易占いは、問いを一つ定め、卦を立て、その卦や爻に付された言葉を問いと照らし合わせて読むものです。このページでは、筮竹・コイン・サイコロを使う3つの方法と、卦が出た後の読み方を説明します。

「卦を立てる」は線の組み合わせを決める工程、「卦を読む」はその言葉を解釈する工程です。まず全体の流れをつかみ、使いたい道具の手順へ進んでください。

道具を使わずに試す方は、無料易占いへ。

問いを一つに絞る

何について考えたいのかを、占う前に短い言葉で記録します。自分が置かれた状況や、自分が選べる行動を問いに含めると、出た卦と照らし合わせる論点を定めやすくなります。

問いを具体的にする例

  • 「仕事はどうなる?」と広く聞く代わりに、「いまの仕事を続けるうえで、何を大切にすればよいか」と考える。
  • 相手の気持ちを断定するために使うより、「私は相手とどう向き合えばよいか」と、自分の関わり方を問う。

これは問いを整理するための例です。同じ条件・同じ問いを、望む結果が出るまで繰り返すのではなく、まず一度出た卦を読んでみてください。状況や問いが変わったときは、前回との違いを明確にしてから改めて問います。

卦は六本の爻からできている

卦(け)は、陰と陽の線を組み合わせた図形です。その一本一本の線を爻(こう)と呼びます。陽爻はつながった線、陰爻は中央が切れた線で表します。

三本の爻の組み合わせは8通りあり、八卦(はっけ)と呼びます。八卦を上下に二つ重ねた六本の卦は64通りあり、六十四卦(ろくじゅうしけ)と呼びます。六本の上三本が上卦(じょうか)、下三本が下卦(かか)です。

六本の位置は、下から数えます

上卦:乾(天)

  • 上爻(6番目) 陽
  • 五爻(5番目) 陽
  • 四爻(4番目) 陽

下卦:坤(地)

  • 三爻(3番目) 陰
  • 二爻(2番目) 陰
  • 初爻(1番目) 陰

図は天地否(てんちひ)の形を例にしています。筮竹法とコイン法では、最初に得た爻を一番下に記録し、六回目を一番上に置きます。サイコロ法では、上卦と下卦を直接選んで組み合わせます。

最初に得られた六本の卦を本卦(ほんか)と呼びます。変化する爻として扱う位置が変爻(へんこう)です。筮竹法・コイン法では6または9として得られ、このページのサイコロ法では位置を一つ選びます。

陰陽から六十四卦までの仕組みは、易の構成で詳しく説明しています。

初心者はどの方法から始めればよいか

身近な道具で始めるならコイン3枚、三変の過程をたどるなら筮竹、上卦・下卦・変爻を直接決めるならサイコロを使えます。3つの手順をすべて覚えてから始める必要はありません。

方法によって道具、操作の回数、変爻の出方が異なります。手順の長さは、方法の正統性や占い結果の優劣を示すものではありません。

YARROW STALKS

筮竹法(大衍筮法)

細長い筮竹を二つの束に分け、一本を脇に置いた模式図
筮竹の束の模式図。50本から1本を脇に置き、残り49本を使います。

筮竹法とは

筮竹法とは、50本の筮竹を用意し、そのうち49本を分けて数える操作によって、初爻から上爻までを一本ずつ決める方法です。一本の爻を決めるために三回の操作を行うため、六爻では合計十八回の操作になります。

『繫辭伝』に記された50・49と三変の枠組みを基礎とし、現在広く知られる詳細な手順は、後世、とくに南宋の朱熹によって体系化されました。古代の操作が同じ形のまま3000年間継承されたと断定することはできません。

  • 道具:筮竹50本
  • 操作:三変×6回
  • 変爻:0〜6本
  • 確率:6・7・8・9で異なる

用意するもの

  • 筮竹50本
  • 爻を下から順に記録する紙
  • 筆記用具
  • 筮竹を広げて数えられる場所

注意:静かで作業しやすい場所を選ぶことは、数え間違いを防ぐ実用上の工夫です。歴史上は儀礼的な作法も伝えられていますが、清潔な布や専用の筮竹入れを、すべての筮竹法に共通する必須条件とはしません。

筮竹法の手順

  1. 問いを一つ決める。 何について確かめたいのかを短い言葉で記録します。
  2. 50本から1本を脇に置く。 残りの49本を使います。最初に脇へ置いた1本は、六爻を立て終わるまで計算に戻しません。一本を太極の象徴とみなす説明は、伝統上の解釈です。
  3. 49本を左右二つの束に分ける。
  4. 右の束から1本を取り、指の間に置く。
  5. 左右の束をそれぞれ4本ずつ数える。 最後の余りを指の間に置きます。割り切れる場合は、最後の4本を余りとして扱います。
  6. 指に取った本数を除ける。 右の束から取った1本と、左右の余りの合計です。第1変では5本または9本を除け、44本または40本が残ります。
  7. 残った束でもう二変行う。 残りを合わせて左右に分け直し、手順4〜6を繰り返します。第2変・第3変で除ける本数は、それぞれ4本または8本です。途中で除けた筮竹は、三変が終わるまで戻しません。
  8. 三変後の残本数を4で割り、一本の爻を決める。 残りは36・32・28・24本のいずれかになり、それぞれ9・8・7・6に対応します。最初の一本は紙の一番下に記録します。
  9. 49本に戻し、次の爻を立てる。 三変で除けた筮竹を戻します。最初に脇へ置いた1本は戻しません。手順3〜8を繰り返し、初爻から上爻まで合計六本を記録します。
三変から一本の爻が決まるまで

開始:49本

  1. 第1変:5本または9本を除ける残り44本または40本
  2. 第2変:その残りから4本または8本を除ける残り40・36・32本
  3. 第3変:その残りから4本または8本を除ける残り36・32・28・24本

残本数を4で割る:

  • 36本→9・老陽
  • 32本→8・少陰
  • 28本→7・少陽
  • 24本→6・老陰

これは各段階で取りうる残本数の一覧です。たとえば、49本から5本、4本、4本を順に除けると、44本、40本、36本と進み、36÷4=9で老陽になります。毎回この本数を除けるという指定ではありません。

36・32・28・24本と爻の対応

一般的な朱熹系大衍筮法の数・爻・確率
数と残本数爻確率
9(36本)老陽・陽爻から陰爻へ変わる3/16
8(32本)少陰・変わらない陰爻7/16
7(28本)少陽・変わらない陽爻5/16
6(24本)老陰・陰爻から陽爻へ変わる1/16

この表は、一般的な朱熹系の大衍筮法について示される理論上の分布です。筮竹法と呼ばれるすべての歴史的・現代的変法が、同じ分布になるとは限りません。

史料上わかることと伝統上の解釈

  • 史料上確認できること: 『繫辭伝』には、50のうち49を用い、分ける、一本を掛ける、四本ずつ数える、三変を行うという枠組みが記されています。
  • 後世に体系化されたこと: 指の使い方を含む詳細な実施手順や、変爻数に応じた読み分けは、後世の注釈・筮法書によって整理されました。
  • 伝統上の解釈: 一本を太極とみなすことや、操作を天地・四季などに対応させることは、伝統的な象数解釈として紹介します。史料上唯一の意味とは断定しません。

THREE COINS

コイン法

同じ大きさのコイン3枚
3枚のコインを同時に投げ、合計点から一本の爻を決めます。

コイン法とは

コイン法とは、3枚のコインを同時に投げ、各面に割り当てた2点・3点の合計から一本の爻を決める方法です。これを6回繰り返し、初爻から上爻までを下から積み上げます。

コインを使う筮法は少なくとも7世紀の文献に確認でき、単なる現代の簡略法ではありません。ただし、正確な起源や各面の呼び方には異なる説明があります。

  • 道具:コイン3枚
  • 操作:3枚×6回
  • 変爻:0〜6本
  • 確率:6・7・8・9で異なる

表裏と2点・3点の決め方

このページでは、便宜上、コインの一方を「表」、反対側を「裏」と呼び、表に3点、裏に2点を割り当てます。

表
3点
裏
2点

日本の硬貨を含め、どちらを表と呼ぶかは見た目だけでは統一できません。投げる前にどちらを3点、どちらを2点とするか決め、6回とも同じ割り当てを使ってください。一本の爻の陰陽は、1枚の表裏ではなく、3枚の合計点から決めます。

コイン法の手順

  1. 問いを一つ決める。
  2. コインの表=3点、裏=2点を固定する。
  3. 3枚を同時に投げる。
  4. 合計点と爻を記録する。 下の表で6・7・8・9を陰爻・陽爻に置き換えます。最初の一本は紙の一番下に記録します。
  5. 初爻から上爻まで6回繰り返す。 2回目は下から二本目、6回目は一番上です。各回の合計点も残します。
  6. 6本の爻から本卦を確認する。 下三本が下卦、上三本が上卦です。
  7. 6または9の爻を変爻として、之卦(変爻を反転した卦)を求める。 6は陰から陽へ、9は陽から陰へ変えます。6も9もなければ、反転させる爻はありません。

6・7・8・9と確率

コイン3枚の合計・組み合わせ・爻の確率
合計組み合わせ爻・変化・確率
6裏・裏・裏老陰:陰爻から陽爻へ変わる(変爻)/1/8
7表1枚・裏2枚少陽:変わらない陽爻/3/8
8表2枚・裏1枚少陰:変わらない陰爻/3/8
9表・表・表老陽:陽爻から陰爻へ変わる(変爻)/1/8

各コインの表裏が独立して同じ確率で出る場合の分布です。一本の爻が変爻になる確率は1/4で、筮竹法の表と合計は同じですが、コイン法では老陰と老陽が同じ確率になります。

直接選ぶ方法

サイコロ法

三角形の面をもつ8面体サイコロ2個と、6面体サイコロ1個
8面体2個と6面体1個を使います。

サイコロ法とは

サイコロ法とは、サイコロの目を使って卦や爻を決める方法です。このページでは、8面体サイコロ2個で上卦と下卦を、6面体サイコロ1個で変爻の位置を一つ決める構成を紹介します。

この構成は、六本の爻を一本ずつ生成する筮竹法やコイン法とは異なり、上卦・下卦・変爻を直接選びます。伝統的な大衍筮法と同一の手順や確率を再現する方法ではありません。

  • 道具:8面体×2・6面体×1
  • 操作:上卦・下卦・変爻を直接選択
  • 変爻:常に1本
  • 確率:各面が独立・等確率なら384通りが各1/384

サイコロと八卦・変爻の対応

8面体2個で本卦を決め、6面体1個で変爻の位置を一つ決めます。
  • 上卦用の8面体
    上卦(上の三本)出目1〜8を八卦に対応させる
  • 下卦用の8面体
    下卦(下の三本)出目1〜8を八卦に対応させる
  • 変爻用の6面体
    変爻の位置(一つ)出目1〜6で位置を選ぶ

1は初爻(一番下)、6は上爻(一番上)。

8面体の目と八卦
8面体の目八卦
1乾(けん)
2兌(だ)
3離(り)
4震(しん)
5巽(そん)
6坎(かん)
7艮(ごん)
8坤(こん)
6面体の目と変爻
6面体の目変爻
1初爻(一番下)
2二爻
3三爻
4四爻
5五爻
6上爻(一番上)

八卦の形と意味は、八卦についてで確認できます。

サイコロ法の手順

  1. 問いを一つ決める。
  2. 2個の8面体について、どちらを上卦、どちらを下卦とするか決める。
  3. 8面体2個を振り、本卦を求める。 上の対応表で八卦を確認し、上卦を上、下卦を下に重ねます。卦名は六十四卦一覧の上下卦と照合できます。
  4. 6面体を振り、変爻の位置を決める。 1は一番下の初爻、6は一番上の上爻です。
  5. 本卦の卦辞と、選ばれた爻の爻辞を読む。 変爻を反転して得られる之卦も確認します。

この方式の確率

各サイコロの目が独立して同じ確率で出る場合、上卦・下卦はそれぞれ1/8、各本卦は1/64、各爻位置は1/6です。本卦と爻位置の組み合わせは384通りで、それぞれ1/384になります。

この方式では変爻が常に一つ選ばれます。変爻が0個または複数になる筮竹法・コイン法とは、結果の構造が異なります。

3つの方法の違い

筮竹法とコイン法は、一本ずつ爻を立てる方法です。このページのサイコロ法は、上卦・下卦・変爻を直接決めます。変爻の出方と確率を、同じものとして比較しないようにしてください。

筮竹法

道具
筮竹50本
操作
三変×6回
変爻
0〜6本

49本を分けて数え、三変で一本の爻を決めます。六爻で十八変を行い、変爻は0〜6本です。6・7・8・9の確率は、それぞれ1/16・5/16・7/16・3/16です。

コイン法

道具
コイン3枚
操作
3枚を同時に投げる操作×6回
変爻
0〜6本

3枚のコインを6回投げます。変爻は0〜6本です。6・7・8・9の確率は、それぞれ1/8・3/8・3/8・1/8です。

サイコロ法

道具
8面体2個+6面体1個
操作
上卦・下卦・変爻を直接選択
変爻
常に1本

8面体2個と6面体1個を使い、変爻は常に1本です。各面が独立して同じ確率で出る場合、本卦と爻位置の384通りが、それぞれ1/384になります。

筮竹法とコイン法の数値は、各方法の表に示した条件での分布です。また、同じ問いを同じ方法で占っても、毎回同じ結果になるとは限りません。

卦が出た後はどう読むのか

まず本卦を確認し、卦全体に付された言葉である卦辞(かじ)を読みます。次に変爻の有無と位置を確認し、一本一本の爻に付された言葉である爻辞(こうじ)を参照します。

之卦(ゆくか)は、本卦の変爻を陰から陽、または陽から陰へ変えて得られる卦です。変化を考えるための参照先であり、確定した未来を示すものではありません。

変爻が複数ある場合の優先順位には流派差があります。本ページでは、一つの読み方を唯一の正解として固定しません。

変爻がない場合

本卦の卦辞と卦全体の構造を中心に読みます。反転させる爻がないため、機械的には之卦を作りません。

変爻が1つの場合

本卦の卦辞と、該当する変爻の爻辞を中心に読みます。変爻を反転して得られる之卦も確認し、本卦との違いを考えます。

変爻が複数ある場合

すべての変爻の爻辞を読む方法、変爻数に応じて読む箇所を選ぶ方法、本卦と之卦の関係を中心に読む方法などがあります。

採用する流派・書籍の規則がある場合は、その規則を途中で変えずに使います。複数変爻を一律に「之卦の卦辞だけで読む」とはしません。

ここでは、手元の道具で得た卦を読むための基本を説明しています。当サイトの無料易占いは、上卦・下卦と「今回の爻」一つを画面上で決める方式です。筮竹法の三変や、コイン法の6回の操作を再現するものではありません。

当サイトの画面を読む順番は、無料易占いの結果の見方で確認できます。手元で得た卦を調べる場合は、六十四卦一覧へ進んでください。用語の意味は、易の用語集で確認できます。

問いと結果を記録する

日付、問い、使った方法、本卦、変爻の有無と位置、読んで考えたことを残します。筮竹法・コイン法では、六本それぞれの6・7・8・9も記録すると、あとで変爻を確かめられます。

まず一卦を立てて、読み方を確かめる

道具を用意せずに試すなら、無料易占いで問いを一つ定め、卦を立ててみてください。出た卦と今回の爻を確認し、その言葉を自分の状況と照らし合わせて読みます。

次に読む

参考資料