易の占い方
易を立てる方法は一つではありません。3000年受け継がれてきた筮竹法(大衍の数)を中心に、コイン法・サイコロ法の手順をご紹介します。卦の読み方・変爻の見方は、どの方法でも共通です。
方法① 筮竹法(ぜいちくほう)— 大衍の数
易経本来の伝統的な占い方です。50本の筮竹(ぜいちく)を使い、「大衍の数(たいえんのかず)」と呼ばれる操作を繰り返して1本ずつ爻を決めていきます。1爻を確定するのに3回の操作(三変)が必要で、6爻すべてを出すには計18回の操作が必要です。
手順は複雑ですが、それ自体に深い意味があります。竹を分け・数え・記録する動作は、易と向き合う「儀式」であり、心を研ぎ澄ませる時間でもあります。コイン法・サイコロ法より確率的にも易の本来の性質に忠実な方法です。
用意するもの
筮竹50本(専用品は文房具店・易具店で入手可能。最初は割り箸や串などで代用しても構いません)。 正式には、静かな場所・清潔な布や筮竹入れを用意します。
手順
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1
場と心を整える
静かな場所に座り、深呼吸して心を落ち着けます。具体的な問いをひとつ心に定めてください。問いが曖昧だと、卦も読みにくくなります。
例:「この転職を進めるべきか」「あの人との関係はこれからどうなるか」
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2
太極本を抜く(50本 → 49本)
50本の筮竹をひとまとめにし、そこから1本だけ抜いて脇に置きます。この1本は「太極(たいきょく)」を象徴し、占いの間は使いません。残りの49本を使って操作を行います。
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3
三変(1爻を確定する操作)× 6回
1本の爻を決めるために、以下の「一変」を3回繰り返します(三変で1爻)。これを6回行い、6爻すべてを確定させます。
一変の手順(第1変・第2変・第3変で共通)
① 筮竹を二分割 → ② 右から1本を左手指へ → ③ 左の束を4本ずつ数える → ④ 端数を左手指へ → ⑤ 右の束を4本ずつ数える → ⑥ 端数を左手指へ → ⑦ 指の合計本数を脇へ残りの本数をまとめて次の変に使います。第1変では49本から始め、指に挟む合計は必ず5本か9本になります。第2変・第3変では指の合計は必ず4本か8本になります。
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4
三変の結果から爻を確定する
三変で脇に置いた本数の合計(=除去した本数)から、爻の種類を決めます。
除去合計 残本数 爻の種類 爻の記号 変爻? 13本(5+4+4) 36本 老陽(9) ⚊ 陽爻 ✦ 変爻 17本(5+4+8 ほか) 32本 少陰(8) ⚋ 陰爻 変わらない 21本(5+8+8 ほか) 28本 少陽(7) ⚊ 陽爻 変わらない 25本(9+8+8) 24本 老陰(6) ⚋ 陰爻 ✦ 変爻 「老(ろう)」とは「極まった・変わろうとしている」状態です。老陽(9)・老陰(6)が変爻になります。
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5
49本を戻して次の爻へ(6回繰り返す)
爻が1本確定したら、脇に置いたものも含め49本すべてを戻し、再び三変の操作を行います。初爻から上爻まで、これを6回繰り返します。記録しながら進めるとわかりやすいです。
例:「初爻:32本残→少陰(8)→陰爻」「二爻:36本残→老陽(9)→陽爻・変爻」…
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6
本卦を確認し、卦辞・爻辞を読む
6本の爻が揃ったら、下3爻が下卦・上3爻が上卦です。それぞれ八卦に照合して本卦を特定します。変爻(老陽・老陰)があれば、陽爻↔陰爻に変えて之卦を求めます。
本卦のページで卦辞(全体の状況)と変爻の爻辞(具体的なメッセージ)を読んでください。
方法② コイン法(3枚の硬貨)
財布の中の硬貨3枚があれば今すぐ始められる、現代で最も広く使われている方法です。コインを6回振って6本の爻を一本ずつ決め、変爻が確率的に自然に決まるのが特徴です。
使うもの
同じ種類の硬貨3枚(種類・サイズは統一が理想。100円玉3枚など)。
表・裏の意味
| 面 | 点数 | 意味 |
|---|---|---|
| 表(数字・模様がある面) | 3点(陽) | 奇数=陽 |
| 裏(字が少ない面) | 2点(陰) | 偶数=陰 |
3枚の合計点と爻の種類
3枚のコインの点数を合計すると、6・7・8・9のいずれかになります。
| 表・裏の組み合わせ | 合計点 | 爻の種類 | 爻の記号 | 変爻? |
|---|---|---|---|---|
| 裏・裏・裏(2+2+2) | 6 | 老陰(ろういん) | ⚋ 陰爻 | ✦ 変爻 |
| 表・裏・裏(3+2+2) | 7 | 少陽(しょうよう) | ⚊ 陽爻 | 変わらない |
| 表・表・裏(3+3+2) | 8 | 少陰(しょういん) | ⚋ 陰爻 | 変わらない |
| 表・表・表(3+3+3) | 9 | 老陽(ろうよう) | ⚊ 陽爻 | ✦ 変爻 |
「老(ろう)」とは「極まった・変わろうとしている」状態を意味します。このコイン法では変爻が複数出ることがあるのが特徴です。
手順
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1
心を静めて、問いを立てる
具体的な問いを一つ決めてから始めます。
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2
コイン3枚を振る(6回繰り返す)
3枚を同時に振り、合計点から爻の種類を決めます。これを6回繰り返し、初爻(第1回)から上爻(第6回)の順に、下から積み上げて6本の爻を決定します。
※紙に「第1投:7(少陽→⚊)」のように記録しながら進めるとわかりやすいです。
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3
本卦を確認する
6本の爻が揃ったら、下3爻が下卦・上3爻が上卦です。それぞれ八卦に照合して本卦を特定します。
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4
変爻を確認し、之卦を求める(必要な場合)
老陽(9)と老陰(6)が出た爻が変爻です。変爻の陽爻を陰爻に、陰爻を陽爻に変えると「之卦(ゆくか)」が求まります。
変爻が1つ:本卦の卦辞+その爻辞を読む。
変爻が複数:之卦の卦辞を中心に読む。
変爻がない(7と8のみ):本卦の卦辞のみで読む。 -
5
卦辞・爻辞を読む
本卦のページで卦辞と変爻の爻辞を読みます。コイン法は変爻の扱いが細かいぶん、読み解きに深みが出ます。
方法③ サイコロ法
易のいろはのデジタル占いで採用している方法です。八面体サイコロ2つで上卦・下卦を、六面体サイコロ1つで変爻の位置を一度に決めます。最も手軽で、スマートフォンやPCからすぐに試せます。
使うもの
| 道具 | 用途 | 目の対応 |
|---|---|---|
| 八面体サイコロ(1〜8)× 2個 | 上卦・下卦の決定 | 1=乾 2=兌 3=離 4=震 5=巽 6=坎 7=艮 8=坤 |
| 六面体サイコロ(1〜6)× 1個 | 変爻の位置の決定 | 1=初爻 2=二爻 3=三爻 4=四爻 5=五爻 6=上爻 |
手順
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1
心を静めて、問いを立てる
深呼吸をして心を落ち着けます。具体的な問いを一つ決めてください(例:「この転職を進めるべきか」)。
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2
八面体サイコロ2つを振る
2つを同時に振り、一方を上卦・もう一方を下卦とします。目を八卦に変換すると本卦が確定します(例:上=1乾・下=4震 → 天雷无妄 第25卦)。
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3
六面体サイコロを振る(変爻の決定)
出た目が変爻の位置です(1=初爻〜6=上爻)。その爻辞が今回の占いのポイントメッセージになります。
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4
卦辞・爻辞を読む
本卦のページで卦辞(全体像)と変爻の爻辞(具体的なメッセージ)を読みます。
3つの方法を比較する
| 筮竹法 | コイン法 | サイコロ法 | |
|---|---|---|---|
| 必要な道具 | 筮竹50本 | 硬貨3枚 | 八面体×2、六面体×1 |
| 所要時間 | 30〜60分 | 5〜10分 | 1分以内 |
| 変爻の決め方 | 確率的に自然発生 | 確率的に自然発生 | 六面体で1爻を指定 |
| 変爻が複数出る | ✦ あり | ✦ あり | なし(常に1爻) |
| 伝統的な確率 | ✦ 本来の確率 | ✦ 近い | 簡略化あり |
| 初心者向け | 習熟が必要 | ✦ 向いている | ✦ 最適 |
卦の読み方——卦辞と爻辞(共通)
卦辞(かじ)を読む
卦全体の状況・テーマを示す言葉です。「今、あなたが置かれている全体的な状況はこうだ」という大きな文脈を教えてくれます。まずここから読み始めましょう。
爻辞(こうじ)を読む
変爻の爻辞が「今、動きがある部分」を示します。卦辞で全体を把握したうえで、爻辞で具体的な行動指針やタイミングを読み取ります。
之卦(ゆくか)について
変爻を変化させた後の卦が「之卦」です。「この先、変化した後の状況」を示します。筮竹法・コイン法では変爻が複数出ることがあり、その場合は之卦の卦辞を中心に読みます。
テーマ別に読む
易のいろはでは各卦ページに恋愛・仕事・金運・健康など13テーマの解釈を掲載しています。占いの目的に合ったテーマを選ぶと、より具体的なヒントが得られます。
変爻(へんこう)の見方(共通)
変爻の読み方まとめ
変爻が1つ:本卦の卦辞+変爻の爻辞を中心に読む。之卦は参考程度に。
変爻が複数(筮竹法・コイン法):之卦の卦辞を中心に読む。
変爻がない:本卦の卦辞のみで読む(爻辞は参照しない)。
老陽(9)は陽爻で変爻、老陰(6)は陰爻で変爻です。少陽(7)・少陰(8)は変爻になりません。
易を立てるときの心得(共通)
- 同じ問いを短期間に何度も立てない。易は繰り返し問うことを好みません。
- 結果が気に入らないからといって立て直さない。出た卦と真剣に向き合うことが大切です。
- 問いは具体的に。「どうすればいいですか」より「この選択肢Aを選ぶべきか」のように絞ると読みやすくなります。
- 他人のことを占う場合は、当人の承諾を得ることが礼儀とされています。
- 易の結果は「答え」ではなく「ヒント」です。最終的な判断はあなた自身が行ってください。
易子
筮竹で立てていると、手を動かしながら自然と「この問いは本当に大事なことか」って見えてくるのよ。時間がかかるからこそ、問いに真剣に向き合える。これが筮竹の一番の価値だと思ってるの。
もちろん、コインでもサイコロでも、誠実に問えば易はちゃんと答えてくれる。道具より「心を静めて、真剣に問いを立てること」——どの方法でも、ここだけは変わらないわよ。
易子
わたしはね、30年以上ずっと筮竹で立ててきたの。あの竹を両手で分けるとき、指の間に挟んで4本ずつ数えるとき——道具を扱う動作そのものが「心を易に向ける」時間になるのよ。
最初は手間に感じるかもしれないけれど、慣れてくると筮竹なしでは物足りなくなってくる。まずは手元にあるコインでも十分だけれど、易と長く付き合いたいなら、ぜひ一度筮竹に触れてみてほしいわ。