易のいろは

第1卦 · 上経

乾為天けんいてん

The Creative / Heaven

純粋な陽気が満ちる創造の卦。天の徳を体現し、万物を生み出す。

  • 創造
  • 剛健
  • 陽気の極み
  • 龍
  • 天
  • 父
  • 前進
  • 大吉
乾為天の卦図

卦のかたちを知る

乾為天の基本構造

第1卦乾為天
上卦(外卦)乾 けん · 金
下卦(内卦)乾 けん · 金

案内役 神龍易子

神龍易子と乾為天を読む

あなた、乾為天の意味を知りたいのね。それは正解よ——易を学ぶなら、まずここから始めるべきだと、わたしはいつも思っているわ。

乾為天はね、易のすべての卦の中で、もっとも陽の力が充ちた卦。天の徳そのもの——創造し、動かし、万物を育てる力を象徴しているの。

「乾」の本質は、ただ強いことじゃないのよ。龍が地に潜み、田に現れ、やがて天へ飛ぶように、正しい時に正しく動くことが「乾」の智慧。その段階を示すのが六つの爻なの。ひとつひとつ読んでみてね。

原典を読む

乾為天の卦辞

原文・読み・現代語訳を分けて示し、言葉の種類を混同せずに読み進めます。

原文

乾、元亨、利貞

読み

けん、げんこう、りてい

現代語訳

乾は大いに亨り、貞しきに利し

元(げん)——根源・始まり

すべての善の根源であり、万物の始まりを意味します。天が万物を産み出す創造力の本質です。

亨(こう)——通達・成長

物事が滞りなく通じ、成長・発展していくことを表します。陽気が満ちて、すべての命が育つ夏の力です。

利(り)——調和・収穫

万物が調和し、それぞれが本来の役割を果たすことで得られる恵みです。秋の実りに象徴されます。

貞(てい)——正しさ・貞固

正しい道を固く守ること。冬が命を内に蓄えるように、本筋を守り抜く力です。この四徳が揃うとき、乾の力は最大に発揮されます。

卦全体を理解する

卦全体の理解

一

乾為天(けんいてん)は、易経・六十四卦の第一卦です。上卦・下卦ともに「乾(☰)」——天を象徴する三本の陽爻からなる三爻が重なり、六本すべてが陽爻という、純粋な陽気の極みを示す卦です。

二

「乾(けん)」は天そのものを意味し、創造・剛健・始まりを象徴します。万物の始まりを告げる卦として、易経は乾為天を第一番に置きました。その対となる第二卦「坤為地(☷☷)」が大地・受容・母を表すのに対し、乾は天・陽・父の原理を体現しています。

三

卦辞の「元亨利貞(げんこうりてい)」は、乾の四徳を表す言葉です。「元」は根源・始まり・善の長、「亨」は通達・成長、「利」は調和・収穫、「貞」は正しさ・貞固さを意味します。これは自然界における春・夏・秋・冬の循環にも対応し、創造から完成に至るまでの宇宙の根本法則を示しています。

四

この卦が示すのは、大きな創造のエネルギーが動いているサインです。ただし、その力を正しい方向に——「貞」の精神で——用いることが成功の鍵となります。

初爻から上爻へ

乾為天 六爻の流れ

  1. 一初爻

    初九

    地に潜む龍。今はまだ力を表に出す時ではない

    小吉
    初九を詳しく読む
  2. 二二爻

    九二

    田に現れた龍。力が世に認められ始める好機

    吉
    九二を詳しく読む
  3. 三三爻

    九三

    一日中精進し続け、夕べも油断せず反省する。険しくとも咎はない

    中吉
    九三を詳しく読む
  4. 四四爻

    九四

    飛び上がるか淵に沈むか——どちらの選択も誤りではない

    平
    九四を詳しく読む
  5. 五五爻

    九五

    飛龍が天を駆ける。最高の状況で力が完全に発揮される時

    大吉
    九五を詳しく読む
  6. 六上爻

    上九

    天高く上り過ぎた龍は後悔する。盛者は必衰を知るべし

    小凶
    上九を詳しく読む

六爻の本文は既存の現代語訳 trans を改変・短縮せず表示しています。

案内役 神龍易子

六爻を振り返る

乾為天は「始まりの卦」よ。でも、始まりって、もうすでに何かが動いている証拠でもあるの。

わたしがこの卦に学んだことはね、「龍は自分の時を知っている」ということ。焦らなくていい。準備している人間のところに、必ず天の気は降りてくるわ。

六爻それぞれに「龍の物語」があるの。初九の潜龍から上九の亢龍まで——どれもあなたの人生のどこかにある場面よ。じっくり読んでみてね。

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