易とは・易の歴史

易(えき)は、約3000年以上の歴史を持つ中国最古の思想・占術体系のひとつです。宇宙・自然・人事のあらゆる変化を陰と陽の原理で読み解く知恵であり、占いの枠を超えた哲学・倫理・政治の指針として東アジア文化の根底を流れ続けています。

神龍
易子
神龍易子先生より

あなた、「易って占いでしょ?」って思ってない?それ、半分正解で半分誤解なのよ。

わたしはね、易は「変化の哲学書」だと思っているの。3000年前の人たちが「世界はどうやって動いているのか」を必死に考えた結果が、あの卦の形に凝縮されてる。占いはその知恵を今の自分に当てはめるための道具——そういう感覚で触れてみると、ずっと面白くなるわよ。

「易」という字が持つ3つの意味

「易」という一字には、古来より3つの意味が込められていると言われています。これを「易の三義(さんぎ)」と呼びます。

変易

変易(へんえき)

万物は常に変化し続けるという原理。宇宙のすべての現象は固定されず、常に流れ動いている。

不易

不易(ふえき)

変化の中にある不変の法則。陰と陽が交互に作用するという根本原理だけは変わらない。

簡易

簡易(かんい)

複雑な変化も、陰(⚋)と陽(⚊)のシンプルな原理で読み解ける。易の扱いやすさを示す。

この3つの意味が示すように、易は「変化する世界を、シンプルな原理で、変わらない法則として読む」思想体系です。

易の起源と歴史——三聖の系譜

易の誕生については、伝説的な三人の聖人——伏羲・文王・孔子——の貢献が伝えられています。この系譜を「易の三聖(さんせい)」と呼びます。

易経(I Ching)とは

易経(えきけい / I Ching)は、六十四卦とその卦辞・爻辞、および十翼から構成される書物です。世界最古の書物のひとつに数えられ、ユネスコの世界記憶遺産に登録された写本も存在します。

易経の構成は大きく2つに分かれています。「経(きょう)」——六十四卦・卦辞・爻辞の本文部分——と、「伝(でん)」——孔子が著したとされる十翼(解説書)——です。今日「易経」と呼ばれるものは、この経と伝がセットになったものを指します。

日本には推古天皇の時代(6〜7世紀)頃に朝鮮半島を経由して伝来したとされ、平安時代には宮廷の占術として、江戸時代には儒学・陰陽道と融合しながら庶民にも広まりました。

現代における易

20世紀に入り、易経は西洋でも改めて注目されました。心理学者のカール・グスタフ・ユングは「共時性(シンクロニシティ)」という概念を通じて易経を研究し、無意識の深層と卦の示す状況が照応することに着目しました。ユングは『易経』英訳版(リチャード・ヴィルヘルム訳)の序文を寄せており、易を単なる迷信ではなく心理学的に有効なツールとして評価しました。

また、コンピュータ科学者・数学者のゴットフリート・ライプニッツが二進法(0と1)を易の陰陽(⚋⚊)に見出したとされる逸話も有名です。陰と陽の二値で宇宙を記述するという発想は、現代デジタル技術の基礎概念とも重なります。

現代日本においても、易占いは個人の意思決定や内省のツールとして根強い人気があります。「占ってもらう」だけでなく、卦の意味を自分で学び、日常の出来事に当てはめて思考するという使い方が広がっています。

神龍
易子
神龍易子先生より

ユングが易に注目したってこと、知ってた?「無意識が卦を選ぶ」っていう考え方、わたしはすごくしっくりくるのよ。

易は未来を「当てる」ものじゃなくて、今のあなたの状態・流れを映し出す鏡なの。3000年前の人が見つけた「変化の法則」が、今もちゃんと働いている——そう感じるとき、易ってすごいなあって思うわ。まずは実際に易を立ててみて。そこから学びが始まるのよ。

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