易の用語集

易経・易占いを読み解くうえで欠かせない用語を、五十音順にまとめました。初めて易に触れる方から、より深く学びたい方まで、手元に置いてご活用ください。

あ行
  • 陰(いん) いん Yin

    陽と対をなす宇宙の二大原理のひとつ。地・暗・静・柔・女性・偶数などを象徴する。爻(こう)としては中央が割れた二本線(⚋)で表される。陰は「満ちて欠ける」性質を持ち、受容・包容の働きをする。

  • 陰爻(いんこう) いんこう

    陰を表す爻の記号。中央に空白のある二本線(⚋)で描かれる。六十四卦の各爻が陰爻であるとき、その爻辞(こうじ)には「六(りく)」という字が冠される(例:「六二」)。

  • 易経(えきけい) えきけい I Ching / Yì Jīng

    中国古代の占いと哲学の書。六十四卦・卦辞・爻辞(以上を「経」)と、孔子が著したとされる十翼(「伝」)から構成される。儒教の根本経典「五経」のひとつ。世界最古の書物のひとつとも呼ばれ、東アジア文化・思想に多大な影響を与えてきた。

  • 爻辞(こうじ) こうじ(※「か行」に移動)

    ※「か行」の「爻辞」を参照してください。

か行
  • 卦(か) か / け

    易の基本単位。陰爻(⚋)と陽爻(⚊)を3本重ねた三爻のものを「八卦(はっけ)」、6本重ねた六爻のものを「六十四卦」という。卦は特定の状況・テーマ・自然現象を象徴し、その意味を卦辞(かじ)が言葉で表している。

  • 卦辞(かじ) かじ

    六十四卦それぞれに付された、卦全体の意味を示す言葉。文王(ぶんのう)が著したとされる。占いでは最初に卦辞を読み、自分が置かれた全体的な状況・テーマを把握する。「乾は、元亨利貞(げんこうりてい)」などが有名。

  • 外卦(がいか) がいか

    六爻の卦の上半分(4〜6爻)を構成する三爻のこと。「上卦(じょうか)」とも呼ぶ。外界・環境・他者・未来を象徴することが多い。

  • 爻(こう) こう

    卦を構成する一本一本の横線。陽爻(⚊・実線)と陰爻(⚋・割れ線)の2種類がある。六爻で一つの卦が成り立ち、下から「初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻」と呼ぶ。

  • 爻辞(こうじ) こうじ

    六十四卦の各爻(6×64=384爻)それぞれに付された言葉。周公旦(しゅうこうたん)が著したとされる。占いでは変爻(へんこう)の爻辞を読み、具体的な行動指針や注意点を読み取る。陽爻の爻辞には「九(く)」、陰爻には「六(りく)」が冠される。

  • 本卦(ほんか) ほんか(※「は行」に移動)

    ※「は行」の「本卦」を参照してください。

さ行
  • 三聖(さんせい) さんせい

    易経の成立に関わったとされる三人の聖人。八卦を作った伏羲(ふっき)、六十四卦と卦辞を作った文王(ぶんのう)、十翼を著した孔子(こうし)を指す。易経はこの三聖の手により段階的に完成されたとされる。

  • 上経(じょうけい) じょうけい

    六十四卦の第1卦(乾為天)から第30卦(離為火)までの30卦のまとまり。天地・陰陽・自然の理を主なテーマとする。下経(第31〜64卦)と対をなす。

た行
  • 対卦(たいか) たいか

    ある卦を上下逆さまにした(180度回転させた)卦のこと。「覆卦(ふくか)」とも呼ぶ。たとえば「水雷屯(第3卦)」を逆にすると「山水蒙(第4卦)」になる。対卦は互いに補完しあう意味を持つことが多く、易経では対卦が隣り合わせに配置されている。

  • 卦名(たけいめい / かめい) かめい

    六十四卦それぞれの名称。上卦と下卦の自然象を組み合わせて付けられる。「乾為天(けんいてん)」は上卦・下卦ともに乾(天)、「水雷屯(すいらいちゅん)」は上卦が坎(水)・下卦が震(雷)を意味する。

な行
  • 内卦(ないか) ないか

    六爻の卦の下半分(1〜3爻)を構成する三爻のこと。「下卦(げか)」とも呼ぶ。自分の内面・現在の状況・内的環境を象徴することが多い。

は行
  • 八卦(はっけ) はっけ

    陰爻と陽爻を3本組み合わせた8通りの卦の総称。乾(天)・兌(澤)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・艮(山)・坤(地)の8つ。六十四卦は八卦を二つ上下に重ねることで作られる。それぞれの卦に自然象・方位・家族象・身体部位などの象意がある。

  • 変爻(へんこう) へんこう

    占いで「今まさに変化しつつある爻」を指す。陽爻が変爻になると陰爻に変わり(老陽)、陰爻が変爻になると陽爻に変わる(老陰)。変爻の爻辞が占いの具体的なメッセージを伝える。変爻後に成立する新しい卦を「之卦(ゆくか)」という。

  • 本卦(ほんか) ほんか

    占いで最初に出た卦のこと。現在の状況・問いへの直接的な答えを示す。変爻によって変化した後の卦(之卦)と区別するために「本卦」と呼ぶ。

ま行
  • 文王(ぶんのう) ぶんのう

    周(しゅう)王朝の基礎を作った聖王。六十四卦の卦辞を著したとされる。殷(いん)の紂王(ちゅうおう)に捕らえられ獄中に幽閉された際、八卦を二重に重ねて六十四卦を完成させ、それぞれに卦辞を付けたと伝えられる。易の別名「周易(しゅうえき)」は周王朝に由来する。

や行
  • 陽(よう) よう Yang

    陰と対をなす宇宙の二大原理のひとつ。天・光・動・剛・男性・奇数などを象徴する。爻(こう)としては一本の実線(⚊)で表される。陽は「伸びて満ちる」性質を持ち、創造・発展の働きをする。

  • 陽爻(ようこう) ようこう

    陽を表す爻の記号。一本の実線(⚊)で描かれる。六十四卦の各爻が陽爻であるとき、その爻辞には「九(く)」という字が冠される(例:「九二」)。

  • 之卦(ゆくか) ゆくか

    本卦の変爻を変化させた後に成立する新しい卦のこと。「変卦(へんか)」とも呼ぶ。之卦は「この先、変化した後の状況・向かっていく先」を示す。変爻が1つの場合はその爻辞を中心に読み、変爻が複数の場合は之卦の卦辞を中心に読む。

ら行
  • 六十四卦(ろくじゅうしけ) ろくじゅうしけ

    八卦を上下に二つ重ねることで生まれる64通りの卦の総称。6本の爻(陰爻または陽爻)の組み合わせは 2⁶ = 64通り。乾為天(第1卦)から火水未済(第64卦)まで、それぞれが固有の状況・テーマを持ち、卦辞と6本の爻辞(計384爻辞)が付されている。

  • 六爻(りくこう) りくこう

    一つの卦を構成する6本の爻の総称。下から「初爻・二爻・三爻(下卦の3爻)/四爻・五爻・上爻(上卦の3爻)」と数える。各爻の位置(爻位)には固有の意味があり、特に五爻(第5位)が最も尊貴な「君主の位」とされる。

  • 爻位(こうい) こうい(※「か行」参照)

    各爻の位置のこと。初爻から上爻まで6段階があり、それぞれ異なる意味(立場・タイミング・強さ)を持つ。詳しくは易の構成ページを参照。

  • 十翼(じゅうよく) じゅうよく(※「さ行」参照)

    孔子が著したとされる易経の解説書。10篇から構成され、易経本体(経)の「翼(つばさ)」として付け加えられたことからこの名がある。彖伝(たんでん)・象伝(しょうでん)・繋辞伝(けいじでん)・文言伝(ぶんげんでん)・説卦伝(せっかでん)・序卦伝(じょかでん)・雑卦伝(ざっかでん)などで構成される。十翼の追加により易経は占い書から哲学・倫理の書へと昇華した。

神龍
易子
神龍易子先生より

用語って最初は「また難しいの?」って思うかもしれないけど、卦辞・爻辞・変爻の3つさえわかれば、占い結果の8割は読めるようになるわ。

わたしはね、用語を覚えるより先に「実際に占ってみること」をすすめてるの。卦が出て、その意味を調べようとするとき初めて「あ、爻辞ってこういう意味か」って腑に落ちるのよ。この用語集は、そういう「調べたいとき」にすぐ開ける辞書として使ってもらえれば嬉しいわ。