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わずかな違いが大きな結果を生む――「地風升」から考える、小さな変化の力
地風升——小さな変化と、それを育てる条件に目を向ける
今回の出来事
2026年10月7日、スウェーデン王立科学アカデミーは、ノーベル化学賞を東京理科大学名誉教授の硤合憲三氏とアンリ・カガン氏に授与すると発表した。授賞理由は不斉有機合成における非線形効果と自己触媒作用の発見。Science Portalは、硤合氏による鏡像異性体の偏りの自己増幅を紹介している。
出典:ノーベル化学賞に硤合憲三氏ら2氏 鏡像異性体の不斉自己触媒作用発見 — 科学技術振興機構 Science Portal
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出典:The Nobel Prize in Chemistry 2026: They made chemistry choose a mirror image — スウェーデン王立科学アカデミー
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一次資料を読む:The Nobel Prize in Chemistry 2026: They made chemistry choose a mirror image
この出来事から考える卦
この卦を選んだ理由
分子の偏りが反応を通じて増幅されるという報道を、小さな変化に目を向ける題材とします。地中から木が育つ地風升の象意を手がかりに、変化の過程とそれを支える条件を考えるため、この卦を選びました。
易の視点から考えること
本コラムでは地風升を、完成した結果だけでなく、小さな変化と育つ条件を観察する視点として捉えます。化学反応と易の象意は区別し、日常の気づきを記録し、確かめ直す姿勢へとつなげます。
ここからは、出来事と卦の象意を重ねた「易のいろは」の解釈です。未来の結果を予測するものではありません。

神龍易子と読み解く
易の案内役 神龍易子
わずかな偏りが、反応を通じて大きくなる。その話を読んで、わたしが思い浮かべたのは「升」だったの。目に見える大きな結果の手前に、どんな小さな変化があったのか。そこへ目を向けたくなるニュースね。
地風升——地の中から木が育つ
地風升。第46卦、ちふうしょうと読むのよ。上が坤(地・大地)、下が巽(風・木)。地の中にある木が芽を出し、上へ伸びていく姿として、この卦を眺めることができるわ。
大きく育った木を見ると、つい高さや枝ぶりに目が行くでしょ。でも、地面の下には根があるし、伸び始めたばかりの時期もある。「升」の象意から考えたいのは、完成した姿だけでは見えにくい、育つ途中の動きなの。
小さな違いを、結果の大きさだけで見ない
今回の研究で扱われるのは、互いに鏡に映した関係にある分子と、その偏りを大きくする化学反応。生成物が、自分と同じ生成物を生む反応を促す働きをするのが自己触媒作用なのよ。出発点の違いだけでなく、反応がどう進むかに目を向けるところに、わたしは面白さを感じるわ。
もちろん、化学の増幅現象と、地風升が表す着実な成長は、同じ仕組みではないの。易がこの反応を予見していた、という話でもない。ここではニュースをきっかけに、小さなものを小さいという理由だけで見過ごしていないか、と考えてみたいのよ。
受賞という大きな出来事に注目する一方で、何が観察され、何が確かめられたのかをたどる。そんな読み方をすると、ニュースの見え方も少し変わるわね。「すごい結果だった」で閉じず、そこへ至る過程にも関心を向けられるから。
育つものと、育つ条件を一緒に見る
木の姿に話を戻すと、芽だけを見つめていても、育ち方のすべては分からないわね。土や光、水にも目を配る。そのように、変化そのものと、それを支える条件を一緒に見る読み方ができると思うの。
たとえば、新しく覚えたことを一行だけ書き留める。仕事で気づいた小さな不便を、翌日にもう一度確かめる。これは科学の実験を暮らしへそのまま当てはめる話ではなく、わたしたち自身の観察の仕方についての例よ。何を続けるかだけでなく、確かめ直せる時間や場所があるかも、大切な問いになるわ。
わたしね、小さな努力は必ず大きな成果になる、と言い切りたくはないの。続けるうちに、方法を変えたほうがよいと分かることもあるでしょ。だからこそ、結果を急いで決めつけず、今どんな変化があるのかを見ていたい。
今日気づいたことを、ひとつだけ言葉にして残してみる。それを後で読み返すだけでも、昨日とは違うところを考えるきっかけになるわ。大きさを測る前に、小さな変化に気づく目を持っていたいわね。
神龍易子は「易のいろは」のオリジナル案内役です。