易のいろは
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個人情報は、持つほどよいのか――「山沢損」から考える、減らして守ること

山沢損——必要なものを見極める、引き算の誠実さ

今回の出来事

ITmedia ビジネスオンラインは2026年11月1日、大規模な情報漏えいを背景に、企業が個人情報を保有する必要性を問う解説記事を掲載した。外食アプリなどの事例を挙げ、防御の強化とともに、収集する項目や保有するデータを見直す視点を示している。

この出来事から考える卦

第41卦

山沢損

さんたくそん

この卦を選んだ理由

個人情報の保有を見直す記事から、何を大切にするために何を減らすかを考えます。山沢損の削減と誠実さの視点を借り、情報の量より利用目的や預かる責任に目を向けます。情報管理の手法を卦から決めるものではありません。

易の視点から考えること

本コラムでは山沢損を、必要性を見極めて余分な収集を減らす視点として読みます。情報を持つ便利さと責任をともに考え、保存が必要な記録や安全対策を残しながら、集める理由を確かめる姿勢につなげます。

ここからは、出来事と卦の象意を重ねた「易のいろは」の解釈です。未来の結果を予測するものではありません。

神龍易子と読み解く

易の案内役 神龍易子

注文や会員登録の画面で、生年月日や性別を尋ねられる。何に使うのか気になりながら、入力を進めた経験はないかしら。企業の「データの持ち過ぎ」を問う記事を読んで、わたしは、増やすことだけが豊かさなのだろうかと考えたの。

山沢損——減らすことにも、意味がある

山沢損。第41卦、さんたくそんと読むのよ。上が艮(山)、下が兌(沢)。「損」は減らすことを意味するわ。この卦には、自分の持つものを減らして他を益するという考え方や、形を豪華にするより誠実さを大切にするという視点があるの。

損という字を見ると、失敗や損失を思い浮かべるかもしれないわね。でも、ここでは何を大切にするために、何を減らすのかを考えたいの。今回の情報管理に重ねるなら、集められる量ではなく、預かる理由を確かめる。そんな読み方ができると思うのよ。

守る技術と、持つ理由を問い直すこと

ITmedia ビジネスオンラインの11月1日の記事は、外食アプリなどでの大規模な漏えい事案を取り上げているわ。そのうえで、攻撃への防御を強めるだけでなく、そもそも自社で持つ情報を見直すという視点を示しているの。

情報は、サービスを便利にしたり、利用者の希望を知ったりする助けになる。一方で、預かっている間は管理が必要で、漏えいすれば、その情報の持ち主に影響が及ぶわね。たくさん持っていることを、そのまま良いことと見なしてよいのか。この記事の問いは、そこにあると思うの。

個人情報保護委員会も10月7日の注意喚起で、不要になった個人データの消去を取り上げているわ。保管の必要性を法令などの根拠とともに確認するよう求め、法令で保存期間が決まっている場合にも触れているの。減らすとは、必要な記録まで一律に捨てることではないのよ。

減らすのは、責任ではなく余分な収集

山沢損を情報管理へ引き寄せるなら、最初に確かめたいのは目的ね。この項目は何のために必要なのか。より少ない情報で同じ目的を果たせないか。いつまで使い、その後はどう扱うのか。入力欄を増やす前に、答えを持っておきたい問いなの。

たとえば、地域の催しの申込書。連絡のための情報と、参加者の傾向を調べるための情報では、集める理由が違うわ。「前の申込書にもあったから」と項目を引き継がず、今回の目的に照らして一つずつ確かめる。身近な場でも、その見直しはできるのよ。

もちろん、情報を減らせば、ほかの安全対策が要らなくなるわけではないわ。外部のサービスに預けた場合も、預け先を含めた管理を考える必要がある。損の視点から減らしたいのは、なんとなく集め続ける習慣であって、相手の情報を大切に扱う責任ではないのね。

これは古典が現代の情報管理の方法を直接教えているという意味ではないわ。山沢損の「減らす」という問いを借りて、便利さのために増やしてきたものを見直す、わたしなりの考察なの。具体的な保存や消去の判断は、利用目的と必要なルールを確かめて進めたいわね。

易子先生のひとこと

わたしね、いつか役に立つかもしれないと思うと、手元に残したくなる気持ちは分かるの。でも、それが誰かの情報なら、持っている理由を相手に説明できるか、一度立ち止まりたいわ。

多くを持つことより、必要なものを誠実に預かること。山沢損から考えたいのは、その姿勢なの。何かを足す前に、今あるものの目的を確かめる。そんな引き算が、相手への配慮につながることもあるのよ。

神龍易子は「易のいろは」のオリジナル案内役です。

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