2026年5月29日
過去最大・為替介入11.7兆円を易で読む
沢風大過——梁が曲がっている時、易は何を言うか
▌ 今回の時事
財務省は2026年5月29日、4月28日〜5月27日の1か月間の為替介入額が11兆7349億円だったと発表。前回記録(2024年4〜5月の9兆7885億円)を大幅に上回り、月間規模として過去最大。4月30日夜に1ドル=160円台後半まで円安が進んだことを受け、政府・日銀が大規模介入を実施した。出典:元記事を読む →
易子先生が引いた卦
第28卦
沢風大過
たくふうたいか
易子
11兆7349億円。1か月で、過去最大。この数字を見た時、わたしはすぐに「大過ね」と思ったの。
沢風大過——梁が曲がる卦
沢風大過。第28卦。上が兌(沢・水)、下が巽(風・柔)。水が上から押さえ、風(柔らかいもの)が下から支える——この形、建物の梁よ。
大過の卦辞はこう言うの——「棟橈れり」。棟木(屋根の一番上の梁)が曲がっている。重荷に耐えきれず、構造がたわんでいる状態よ。
11.7兆円の為替介入は、円安という「重荷」を一時的に支えるための応急処置。でも梁は曲がったまま。次の風が吹けば、また曲がる。
記録を更新するということ
2024年の9.7兆円が「過去最大」だったのに、わずか2年で11.7兆円にまで膨らんだ。
記録が更新されるたびに、わたしは思うの——これは「対症療法が強くなっている」ということじゃないかって。円安の根本原因(日米金利差・貿易構造・経常収支)は変わっていない。変わったのは、梁が曲がるスピードよ。
大過の教え——「独立不懼」
大過の象辞はこう言う——「澤滅木。大過。君子以独立不懼、遯世无悶」。沢の水が木を没する。この危機に、君子は独立して恐れず、世を離れても悶えない。
易が大過の時に求めるのはね、群衆の動きに流されない、独立した判断よ。為替介入は市場の圧力に「反応」し続けているけれど、それは本当に独立した判断だろうか——易はそこを問うているの。
易子先生のひとこと
大過の卦には、こんな言葉もある——「往けば吝なり」。このまま進めば困ったことになる。
梁が曲がっている時に必要なのは、もっと強い支えではなくて、梁に乗っている重荷を見直すことかもしれない。11.7兆円という数字は、そのことを静かに教えてくれているわ。