世界6位になる見込み。その見出しを読んで、わたしは「観」を思い浮かべたの。順位の変化は目を引くけれど、そこで立ち止まらず、数字の向こうまで目を向けてみたいわ。今回は、何を見て、どう受け止めるかを考えるお話よ。
風地観——広く眺め、深く観る
風地観。第20卦、ふうちかんと読むのよ。上が巽(風)、下が坤(地)。風が大地の上をわたる姿を表す卦なの。広く状況を見渡し、静かに観察するという象意があるわ。
観る対象は、外の出来事だけではないの。自分がどんな見方をしているかを省みることも、この卦から考えられるのよ。目に入った一つの数字で全体を決めつけていないか。今回わたしが観を選んだのは、その問いを置いておきたいからなの。
順位が示しているのは何か
TBSの報道によると、IMFの推計では、日本のドル建て名目GDPは2027年にインドと英国を下回り、世界6位になる見通しなの。まず確かめたいのは、これは将来についての推計であって、すでに起きた結果ではないということね。報道では、各国の成長の違いに加えて、円安の影響も説明されているわ。
名目GDPは、その時々の価格で捉えた国内の経済活動の規模を表す指標よ。ドルに換算して国どうしを比べると、為替の動きも数字に関わってくる。一人ひとりの所得や暮らしの安心を、その順位だけで言い表せるわけではないのね。
だからといって、順位の変化を気にしなくてよい、と片づけたいわけでもないの。大切なのは、何が変わり、それをどの指標で確かめられるかを考えること。一つの数字が教えてくれることと、その数字だけでは分からないことを分けて観る。そこから、知りたいことが少しずつ具体的になるわ。
数字を見る自分も、観察する
たとえば暮らしの変化を知りたいなら、賃金と物価の関係や、家計の負担にも目を向けたいわね。経済全体の規模を知りたいのか、生活のゆとりを知りたいのか。問いが違えば、確かめる数字も変わるのよ。
この視点は、身近な比較にも重ねられるわ。仕事の成績や試験の順位を見て、すぐに自分の努力まで否定してしまうことはないかしら。順位に表れた課題を受け止めつつ、前よりできるようになったことや、まだ苦手な部分を具体的に観る。これは国の経済を個人と同一視する話ではなく、比較の受け止め方への読み替えね。
不安や悔しさが湧いたら、その気持ちも観察してみる。何を大切にしているから、心が動いたのか。気持ちを確かめることと、数字の意味を調べることを、両方続けてよいのよ。
易子先生のひとこと
わたしね、よく観るというのは、結論をいつまでも先送りすることではないと思うの。確かめるものを増やして、次に考える問いをはっきりさせること。気になる数字に出会ったら、何の順位なのか、いつの話なのか、何と比べているのかを一つずつ確かめたいわ。
順位を入り口にして、その奥にある実情と、自分の見方まで観てみる。風地観を、そんな時間をつくる手がかりにしてみてほしいのよ。
神龍易子と読み解く
易の案内役 神龍易子
世界6位になる見込み。その見出しを読んで、わたしは「観」を思い浮かべたの。順位の変化は目を引くけれど、そこで立ち止まらず、数字の向こうまで目を向けてみたいわ。今回は、何を見て、どう受け止めるかを考えるお話よ。
風地観——広く眺め、深く観る
風地観。第20卦、ふうちかんと読むのよ。上が巽(風)、下が坤(地)。風が大地の上をわたる姿を表す卦なの。広く状況を見渡し、静かに観察するという象意があるわ。
観る対象は、外の出来事だけではないの。自分がどんな見方をしているかを省みることも、この卦から考えられるのよ。目に入った一つの数字で全体を決めつけていないか。今回わたしが観を選んだのは、その問いを置いておきたいからなの。
順位が示しているのは何か
TBSの報道によると、IMFの推計では、日本のドル建て名目GDPは2027年にインドと英国を下回り、世界6位になる見通しなの。まず確かめたいのは、これは将来についての推計であって、すでに起きた結果ではないということね。報道では、各国の成長の違いに加えて、円安の影響も説明されているわ。
名目GDPは、その時々の価格で捉えた国内の経済活動の規模を表す指標よ。ドルに換算して国どうしを比べると、為替の動きも数字に関わってくる。一人ひとりの所得や暮らしの安心を、その順位だけで言い表せるわけではないのね。
だからといって、順位の変化を気にしなくてよい、と片づけたいわけでもないの。大切なのは、何が変わり、それをどの指標で確かめられるかを考えること。一つの数字が教えてくれることと、その数字だけでは分からないことを分けて観る。そこから、知りたいことが少しずつ具体的になるわ。
数字を見る自分も、観察する
たとえば暮らしの変化を知りたいなら、賃金と物価の関係や、家計の負担にも目を向けたいわね。経済全体の規模を知りたいのか、生活のゆとりを知りたいのか。問いが違えば、確かめる数字も変わるのよ。
この視点は、身近な比較にも重ねられるわ。仕事の成績や試験の順位を見て、すぐに自分の努力まで否定してしまうことはないかしら。順位に表れた課題を受け止めつつ、前よりできるようになったことや、まだ苦手な部分を具体的に観る。これは国の経済を個人と同一視する話ではなく、比較の受け止め方への読み替えね。
不安や悔しさが湧いたら、その気持ちも観察してみる。何を大切にしているから、心が動いたのか。気持ちを確かめることと、数字の意味を調べることを、両方続けてよいのよ。
わたしね、よく観るというのは、結論をいつまでも先送りすることではないと思うの。確かめるものを増やして、次に考える問いをはっきりさせること。気になる数字に出会ったら、何の順位なのか、いつの話なのか、何と比べているのかを一つずつ確かめたいわ。
順位を入り口にして、その奥にある実情と、自分の見方まで観てみる。風地観を、そんな時間をつくる手がかりにしてみてほしいのよ。
神龍易子は「易のいろは」のオリジナル案内役です。