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AI半導体を自分で作るという決断――「山天大畜」に学ぶ、将来のために力を蓄えること

山天大畜——必要な力を内に蓄え、使い方を見極める

今回の出来事

Microsoftは2026年10月12日、次世代の独自AI半導体Maia 300を発表した。2027年から大規模な導入を進め、自社製品・サービスの主要なAI推論基盤とする計画。同社は、電力当たりの処理効率やMaia 200に対する処理量の向上を見込むと説明している。

この出来事から考える卦

第26卦

山天大畜

さんてんたいちく

この卦を選んだ理由

自社のAI処理に合わせた独自半導体の開発を、必要な能力を内に育てる取り組みとして考えます。大きな力を止め、蓄え、養う山天大畜の象意から、技術の所有だけでなく、使い方を見極める知識や判断力に目を向けるため選びました。

易の視点から考えること

本コラムでは山天大畜を、自分で担う範囲と他者に任せる範囲を考えながら、必要な理解を蓄える視点として捉えます。自社開発を一律に優れた選択とせず、目的や使い方を判断できる力を育てる大切さを考えます。

ここからは、出来事と卦の象意を重ねた「易のいろは」の解釈です。未来の結果を予測するものではありません。

神龍易子と読み解く

易の案内役 神龍易子

自分たちが使うAI半導体を、自分たちで開発する。その知らせに、わたしは「大畜」を思い浮かべたの。目の前の道具を手に入れるだけでなく、その道具をどう働かせたいのかまで考える。そこに、内に蓄える力という問いがあるわね。

山天大畜——大きな力を蓄え、養う

山天大畜。第26卦、さんてんたいちくと読むのよ。上が艮(山・止まる)、下が乾(天・強健)。力強く動こうとする天の力を、山が受け止めて蓄える姿として読まれる卦なの。

「畜」には、蓄える、止める、養うという意味があるわ。勢いのままに力を使い切らず、知識や器量を内に養う。その象意から見ると、大畜は持ち物の多さだけを考える卦ではないのね。蓄えたものを扱えるだけの判断力があるか、という問いにもつながると思うの。

自分たちの仕事から、必要な道具を考える

Microsoftの公式発表では、Maia 300は自社が日々扱う処理や、新しいAIの使われ方を踏まえて設計されているというの。ここでいう推論は、学習したAIが入力に応じて回答などを生成する処理のことよ。日々のサービスを支える部分に、独自の設計を取り入れる計画なのね。

ただし、2027年からの導入も、処理効率の向上も、発表時点では計画や見込みとして読む必要があるわ。独自開発という言葉から、製造工程まですべて自社だけで担うと受け取ることもできない。今回の発表を、他者の力を借りなくなる話に置き換えたくはないのよ。

わたしが大畜を重ねたいのは、必要な力を自分たちの中にも育てるという点なの。何を使うかを選ぶ力と、何が必要かを見極める力。その両方を蓄える。道具を作るという出来事から、そんな視点を持つこともできるわね。

任せることと、分からないままにすること

わたしたちの仕事でも、詳しい人に任せるのは大切な選択でしょ。何でも一から自分で作ろうとすれば、時間も手間もかかる。自分で担う範囲を広げることが、いつもよいとは限らないわ。

でも、任せるときにも、自分の中に残しておきたい理解があると思うの。何を実現したいのか、どこで困っているのか、出来上がったものをどう確かめるのか。たとえば仕事で使う道具なら、使いにくかった点を記録し、依頼するときに伝えられるようにする。それも、次の判断のために力を蓄える一歩ね。

技術を持つことだけを目標にせず、それを使い続ける時間や、困ったときに相談できる相手も考える。蓄える力には、学び直す余地や、人と協力する力も含めてよいのではないかしら。これは企業の計画をそのまま暮らしへ移す話ではなく、大畜からのわたしなりの読み替えなのよ。

易子先生のひとこと

わたしね、全部できる人になることより、何を知っておく必要があるかを考えられる人でいたいの。分からないことを尋ね、その答えを次の仕事に生かす。そんな経験も、自分の内に残る蓄えになるわね。

今回の開発がどんな成果を生むかを、易から決めることはできない。でも、自分がこれから担いたいことに向けて、今日何を学ぶかは考えられる。力を蓄えるとは、持つものを増やすだけでなく、使い方を見極める自分を育てることでもあるのよ。

神龍易子は「易のいろは」のオリジナル案内役です。

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