易のいろは

第2卦 · 上経

坤為地こんいち

The Receptive / Earth

純粋な陰の力が満ちる大地の卦。受け容れ・育て・支える、母なる地の徳。

  • 受容
  • 柔順
  • 大地
  • 母
  • 従順
  • 育む
  • 内助
  • 包容
坤為地の卦図

卦のかたちを知る

坤為地の基本構造

第2卦坤為地
上卦(外卦)坤 こん · 土
下卦(内卦)坤 こん · 土

案内役 神龍易子

神龍易子と坤為地を読む

あなた、坤為地を調べているのね。これはね、易の中でわたしが特に好きな卦のひとつよ。

坤為天——あ、ごめんなさい、坤為地ね——は、乾(天)と対になる大地の卦。乾が「創る」なら、坤は「育てる」。どちらが偉いわけじゃない。天があっても地がなければ何も育たないでしょう?

この卦を調べているなら、わたしが伝えたいのは「今はあなたが支える側の時よ」ということ。主役じゃなくていい。目立たなくていい。でも、あなたがいるから物事が実る——そういう大切な役割を担っているの。

原典を読む

坤為地の卦辞

原文・読み・現代語訳を分けて示し、言葉の種類を混同せずに読み進めます。

原文

坤、元亨、牝馬の貞に利し

読み

こん、げんこう、ひんばのていによろし

現代語訳

坤は大いに亨る。牝馬のように柔順に従うことで正道を得る

元(げん)——根源の受容力

大地があらゆる命を受け容れるように、坤の元は無限の包容力を示します。拒まず・選ばず・育てる、受容の根源です。

亨(こう)——育て通す力

受け容れたものを滞りなく育て、完成へと導きます。種を地に蒔けば芽吹くように、坤の亨は静かに確実に働きます。

牝馬の貞(ひんばのてい)——柔順の正道

牡馬のように力で前を行くのではなく、牝馬のように寄り添い従う中に、坤の正しさがあります。この柔順さが最終的な完成をもたらします。

卦全体を理解する

卦全体の理解

一

坤為地(こんいち)は、易経・六十四卦の第二卦です。上卦・下卦ともに「坤(☷)」——大地を象徴する三本の陰爻が重なり、六本すべてが陰爻という純粋な陰気の極みを示します。第一卦「乾為天」と対をなし、天と地・陽と陰・創造と受容の両輪として易の根幹を成す卦です。

二

「坤(こん)」は大地そのものを意味し、受容・柔順・育みを象徴します。何でも受け容れる大地のように、外からの力に逆らわず、そのエネルギーを内に蓄え、万物を養い育てる力です。強さで主導するのではなく、従い・支え・育てることで真の大きさを発揮します。

三

卦辞の「牝馬の貞(ひんばのてい)」は、この卦の本質を見事に表しています。牝馬は力強く大地を駆けますが、その徳は逆らわず従うことにあります。自ら先頭に立つのではなく、相手の動きに寄り添い、共に歩む——そこに坤の美徳があります。

四

この卦が示すのは、今は主導するより従う時、押し進めるより受け容れる時です。柔らかさの中に本当の強さがあります。

初爻から上爻へ

坤為地 六爻の流れ

  1. 一初爻

    初六

    霜を踏む季節になれば、やがて厚い氷が来る。小さな兆しを侮るな

    小凶
    初六を詳しく読む
  2. 二二爻

    六二

    真っ直ぐ・正しく・大らかに。意識せずとも自然に利益をもたらす坤の徳

    吉
    六二を詳しく読む
  3. 三三爻

    六三

    才能を内に秘め、出しゃばらず従う。目立たなくとも物事は完成する

    中吉
    六三を詳しく読む
  4. 四四爻

    六四

    袋の口をしっかり閉じる。目立たず慎めば、失敗も名誉もない穏当な時

    平
    六四を詳しく読む
  5. 五五爻

    六五

    黄色い裳をまとう。中庸の徳が輝く、坤の最高の位。大いに吉

    大吉
    六五を詳しく読む
  6. 六上爻

    上六

    陰が極まり陽と衝突する。行き過ぎた柔順は剛と争い、双方が傷つく

    凶
    上六を詳しく読む

六爻の本文は既存の現代語訳 trans を改変・短縮せず表示しています。

案内役 神龍易子

六爻を振り返る

坤為地はね、「待つ力」の卦でもあるのよ。大地は急がない。種が芽吹くまで、ただ静かに、温かく待ち続ける。

わたしがこの卦から学んだのは、「受け容れること」と「諦めること」は全然違うということ。坤の受容は、主体的な愛の行為なの。

六爻には「霜を踏めば堅氷至る」という言葉から始まり、最後は「龍の野に戦う」まである。柔順の中にも、行き過ぎればやがて陰と陽が衝突するという警告が込められているわ。バランスよ、大事なのは。

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