2026年6月4日
飲食料品の消費税減税検討を易で読む
山風蠱——積み重なった歪みを直す時の作法
▌ 今回の時事
政府与党が2027年4月に飲食料品の消費税を8%から1%へ引き下げる案を検討。一方で弁当・総菜と外食(10%)の税率差拡大により飲食店の客足が鈍る懸念から、外食業界への補助金支援も検討。約70万人の小規模農家の仕入れ税負担増加への対応も課題で、26年度内に支援策を具体化させる方針。出典:元記事を読む →
易子先生が引いた卦
第18卦
山風蠱
さんぷうこ
2026年6月4日
山風蠱——積み重なった歪みを直す時の作法
▌ 今回の時事
政府与党が2027年4月に飲食料品の消費税を8%から1%へ引き下げる案を検討。一方で弁当・総菜と外食(10%)の税率差拡大により飲食店の客足が鈍る懸念から、外食業界への補助金支援も検討。約70万人の小規模農家の仕入れ税負担増加への対応も課題で、26年度内に支援策を具体化させる方針。出典:元記事を読む →
易子先生が引いた卦
第18卦
山風蠱
さんぷうこ
易子
「減税」という言葉は気持ちいいのよ。でも「蠱ね」とわたしはつぶやいたの。
山風蠱——器の中に溜まった虫
山風蠱。第18卦。上が艮(山・止)、下が巽(風・入り込む)。山の下に風がそっと入り込む——動かないはずのものが、内側から揺さぶられていく形ね。
「蠱」という字を見てね。器(皿)の上に虫が三つ。器の中に長い間虫が溜まり、腐敗が進んでいる状態よ。日本の食品消費税制度は、その「器」に当たる。軽減税率・標準税率・免税業者の問題が複雑に絡み合い、長年の積み重ねで歪みが溜まっている。
対策が対策を呼ぶ構図
今回の話の構造を整理するとこうよ——。
飲食料品を1%に下げる → 弁当・総菜が安くなる → 外食(10%)との差が広がる → 飲食店が困る → 補助金を検討。さらに → 小規模農家の仕入れ負担が増える → こちらも補助金を検討。
一つの制度を触ると、別の場所が歪む。その歪みを補助金で抑えると、また別の問題が生まれる可能性がある。これが蠱の本質——積弊は一点を直せば別の点が歪む、複雑に絡み合ったものよ。
「先甲三日、後甲三日」——改革の作法
蠱の卦辞にはこんな言葉がある——「先甲三日、後甲三日」。
改革の前に三日(入念な準備と検討)、改革の後に三日(丁寧な経過観察と修正)。蠱の時に求められるのは、スピードより段取りと観察よ。
2027年4月実施、6月下旬に最終判断——このスケジュール、「後甲三日」の余裕はあるかしら?補助金の枠組みを先に作っておくこと自体は蠱の作法に沿っているけれど、細部の設計が追いつくかどうかがこれからの問題ね。
易子先生のひとこと
蠱の卦辞はこう始まるの——「蠱は元亨。大川を渉るに利し」。積弊を正すことは、大いなる成功をもたらす。大きな困難を渡る価値がある。
消費税制度の歪みを直すこと自体は、正しい方向よ。問題はね、蠱を直す処方が、別の蠱になっていないかを常に確認しながら進めることが必要だということ。
補助金という「薬」は、使いすぎると次の蠱になるわ。