易のいろは

第6卦・てんすいしょう

天水訟 六三

争いと対立の卦。正当な主張があっても争いを長引かせるな。中途和解が最善。

卦のかたちを知る

今回の爻の位置この爻の位置

上卦(外卦)乾 天・陽・剛健

  1. 上九
  2. 九五
  3. 九四

下卦(内卦)坎 水・険難・陥穽

  1. 今回の爻この爻六三
  2. 九二
  3. 初六
天水訟の六爻を上から上爻、初爻の順に示しています。

原典を読む

天水訟 六三の爻辞

原文

旧徳を食む。貞にして厲なるも終に吉。或いは王事に従うも成すことなし

読み

きゅうとくをはむ。ていにしてはげなるもついにきち。あるいはおうじにしたがうもなすことなし

現代の言葉で捉える

天水訟 六三の現代語訳

先人の遺産や実績を守る。厳しくとも正しく守れば最終的に吉

易の仕組みから理解する

なぜ天水訟 六三をこのように読むのか

一

六三という位置

六三は陰爻が三位(陽位)に立つ不正位。下卦・坎から上卦・乾への境目に立ち、力を伸ばしたい衝動がある。しかし陰の柔弱さゆえ、自ら新しいことを成す力はない。先人の遺産(旧徳)を守ることで、この不安定な位置を安全に過ごすことができる。危うさを感じながらも正道を守れば、最終的には吉。

二

この爻が象徴するもの

守旧

先人の遺産を守り継ぐ

三

天水訟 六三の詳しい意味

「旧徳を食む(きゅうとくをはむ)」——先祖・先輩・前任者が積み上げた遺産・功績・評判を受け継いで生きること。「貞にして厲なるも終に吉(ていにしてはげなるもついにきち)」——正しい姿勢を守っていれば危うい場面もあるが、最終的には吉。「或いは王事に従うも成すことなし(あるいはおうじにしたがうもなすことなし)」——大きな仕事に関わっても、目立った成果は上げられない。それでも構わない。

六三は陰爻が陽位に立つ不正位。「旧徳を食む」とは自分自身の新たな力ではなく、蓄積された遺産によって生きること。これは弱さではない——争いの時代に、先人の知恵や実績を守ることが最善の戦略なのだ。大きなことを成そうとすれば危うくなる。小さな旧来の守りで十分。

象伝には「旧徳に食むとは、上なるに従いて吉なればなり(きゅうとくにはむとは、うえなるにしたがってきちなればなり)」とある。上位(乾・強さ)に従いながら、旧い徳を守ることで吉を得る——これが六三の生きる知恵である。

神龍易子の深い読み

あなた、今ね、自分で新しいことを成し遂げたいけれど、なかなか思うように進まない、という状況かしら? わたしはね、この六三を見ると、「今は先人の知恵・実績を借りる時よ」と伝えたくなるの。

「旧徳を食む」——これはね、誇り高い生き方よ。自分が積み上げてきたもの、先人が積み上げてきたもの、それを丁寧に守り継ぐ人を、易経はちゃんと吉と見ているの。今は自分の時代じゃなくてもいい。守ることで次の時代を準備しているのよ。

六三のキーワード

  • 旧徳を守る
  • 先人の遺産
  • 守りの姿勢
  • 慎重な継承
  • 実績を大切に
  • 目立たないことの賢さ
  • 着実な積み重ね

爻の変化を学ぶ

六三が変わると生じる卦:天風姤

これは今回の結果に別の吉凶を加えるものではなく、この爻が変化した場合に生じる卦を示す易学的な深掘り情報です。

天風姤てんぷうこう・第44卦
五陽の下に一陰が忍び込む邂逅の卦。思わぬ出会いには誘惑と危険が潜む。慎重に。

爻から卦全体へ

天水訟という卦をもっと知る

争いと対立の卦。正当な主張があっても争いを長引かせるな。中途和解が最善。

天水訟の卦辞

訟、孚あり。窒る。惕れ中するは吉。終するは凶。大人を見るに利し。大川を渉るに利せず

しょう、まことあり。ふさがる。おそれなかするはきち。おわりするはきょう。たいじんをみるによろし。たいせんをわたるによろせず

訟は正しい主張があっても、争いは中途でやめるのが吉。最後まで争えば凶。公正な第三者に仲裁を求めよ

孚(まこと)——正当な主張
訴えに正当な理由はある。しかし正しさだけが争いを解決するわけではないのが現実の難しさです。正当性は持ちながらも、智慧ある引き際が必要です。

中するは吉——引き際が肝心
争いを半ばでやめること——これが天水訟の最大のメッセージ。「勝ちたい」という執着を手放せるかどうかが、結末を左右します。

大人を見るに利し——公正な仲裁者
「大人(たいじん)」とは、公正で徳のある人物。一人で争うより、信頼できる第三者に仲裁してもらうことで、双方が傷つかない解決が生まれます。

天水訟(てんすいしょう)は、易経・六十四卦の第六卦です。上卦が「乾(☰)」天、下卦が「坎(☵)」水。天は上へ、水は下へ——方向が真逆に動く二つの力が衝突する形を表しています。

「訟(しょう)」は訴訟・争いを意味します。水雷屯(第三卦)の産みの苦しみを経て、山水蒙(第四卦)で学び、水天需(第五卦)で待った後、やがて力と力がぶつかり合う——これが天水訟です。

卦辞は「孚あり」と始まります。つまり、正当な理由がある争いです。不当な訴えや言いがかりではない。にもかかわらず、易は「中するは吉、終するは凶」と言います。たとえ正しくても、争いを最後まで押し通せば必ず傷を負う、と。

この卦が示すのは、争いを「勝つか負けるか」でとらえないことが大切です。中途和解・第三者への仲裁依頼・自分から引くこと——これらが最善の道です。

神龍易子と読む 天水訟

あなた、天水訟を調べているのね。今、誰かと揉めているかしら、それとも揉めそうな予感がある?

この卦はね、「争うな」というより「争い方を間違えるな」という卦よ。あなたに正当な言い分があることは、卦辞の「孚あり」が認めている。でもね、最後まで争い続けることの代償はとても大きいの。

易は「中するは吉、終するは凶」と言っているわ。途中でやめる勇気——これが今のあなたに一番必要なことかもしれない。

天水訟でわたしが感慨深いのはね、九五の爻よ。「訟して元吉」——争いをうまく収めて大いに吉。この爻だけが本当の意味で「吉」なの。

訴訟で勝っても、人間関係は壊れる。勝訴して職を得ても、帯を剥ぎ取られる(上九)——易はそこまで見通しているわ。

争いが避けられないなら、公正な人を間に立てなさい。そして相手と再び向き合える日を、心のどこかで目指してね。それが人としての「訟の終わり」よ。

天水訟のキーワード

  • 争い
  • 訴訟
  • 対立
  • 主張
  • 和解
  • 仲裁
  • 引き際
  • 警戒

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天水訟 六三を全体運でどう読むか

守りを固め、先人の知恵を活かす時

小吉

あなた、今ね、自分で新しいことを成し遂げたいけれど、なかなかうまくいかない、という焦りを感じているのよね?

わたしはね、この爻の全体運はね「今は守りの時期」というメッセージを読むの。先人や前任者が積み上げてきた実績・信頼・知恵——それを守り継ぐことが、今の正しい姿勢よ。

「貞にして厲なるも終に吉」——正直で真っ直ぐな姿勢を保てば、危うい場面があっても最終的には吉。大きな成果を急がないで。

目立たなくていい。少しずつでいい。守ることが次の時代の礎になるのよ。

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天水訟 六三を恋愛でどう読むか

関係を守り育てる姿勢が大切な時

小吉

あなた、恋愛で、「もっと劇的に進展させたい」「大きなアクションを起こしたい」という焦りがあるのよね?

わたしはね、恋愛に六三が出た時ね「今は関係を守り育てる時」と読むの。今までに積み重ねてきた二人の良い関係——それを丁寧に続けることが、一番の恋愛運よ。

大きなサプライズや強引な行動より、日々の積み重ねを大切に。「旧徳を食む」——今まで培った信頼が、最大の財産よ。

「終に吉」——焦らず守り続ければ、自然と良い展開が来るわ。

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天水訟 六三を縁談・結婚でどう読むか

縁談は今ある縁を大切に育てる時

小吉

あなた、縁談のことで、何か新しい展開を求めていたり、今の縁に焦りを感じていたりするのよね?

わたしはね、縁談に六三が出た時ね「今の縁を大切に育てる時」と読むの。新しい出会いを探すより、今あるご縁・今の関係性を丁寧に守ることが大切よ。

「旧徳を食む」——これまでの交際・家族の繋がり・地縁——それらを大切にした縁談が、最もうまくいくわ。

「終に吉」——今は地味に見えても、この縁は最終的には良い形になるわ。

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天水訟 六三を仕事・就職でどう読むか

今は守りを固める時。実績を丁寧に継承して

小吉

あなた、仕事のことで、「もっと大きなことをしたい」「新しいプロジェクトに挑みたい」という気持ちがあるのよね?

わたしはね、仕事に六三が出た時ね「今は先輩・前任者の実績を守り継ぐ時」と読むの。「旧徳を食む」——今は創業者・先輩が積み上げたものを、丁寧に受け継ぐことが最善の仕事運よ。

大きなことを成そうとすれば「厲(あやうし)」——危うくなる。今は守る姿勢で、着実に仕事を続けて。

「終に吉」——守りながら実力を積んだ人が、次の時代に活躍できるのよ。今の地道さを誇りにして。

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天水訟 六三を金運・財運でどう読むか

大きな動きより、今ある財を守ることを優先

小吉

あなた、お金のことで、今の収入・財産をもっと増やしたいと思って何か動こうとしているのよね?

わたしはね、金運に六三が出た時ね「今は新しい収入より、今ある財を守ること」を優先することを勧めるの。今の状態を守ることが、最も堅実な金運よ。

新しい投資・新しい事業——今の時期に大きく動くと「厲(あやうし)」。リスクが高いわ。

今の収入源を大切にして、支出を見直す。「旧徳を食む」——これまで積み上げた節約術・財産管理の知恵を活かして。

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天水訟 六三を健康・病気でどう読むか

今の体に合ったやり方を守ることが大切

小吉

あなた、健康のことで、新しい健康法や治療法を試したいと思っているのよね?

わたしはね、健康に六三が出た時ね「今まで自分に合っていた生活習慣を守ること」を大切にするよう伝えるの。「旧徳を食む」——今まで続けてきた体に良い習慣を、丁寧に続けることよ。

新しいことを急に始めるより、今の体に合った無理のないペースを守って。「貞にして厲なるも終に吉」——正しい生活を守れば最終的に健康を取り戻せる。

慢性的な悩みがある場合は、長年かかりつけの医師や専門家の指示に従うことを優先して。

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天水訟 六三を家庭・家族でどう読むか

家庭の平和は先人の知恵・習慣を守ることで保たれる

小吉

あなた、家庭のことで、今の状況を変えたい、何か新しいことを試みたいと思っているのよね?

わたしはね、家庭に六三が出た時ね「家族が受け継いできた良い習慣・絆を大切にする時」と読むの。「旧徳を食む」——家族の伝統・絆・慣習の中に、今の家庭を守る知恵があるわ。

大きな変化より、今の家族の穏やかな日常を守ること。「終に吉」——それが最終的に家庭の幸せにつながるの。

時に軋轢があっても(「厲」)、正しい関係性を守り続ければ必ず家庭に平和が戻るわ。

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天水訟 六三を学業・受験でどう読むか

基礎をしっかり守ることが合格への道

小吉

あなた、勉強や試験のことで、もっと効率的な勉強法や新しいアプローチを試したいと思っているのよね?

わたしはね、学業に六三が出た時ね「今は基礎・基本を守り続けることが最善」と読むの。「旧徳を食む」——今まで習ってきた基礎知識、先生の教え——それをしっかり守って積み上げることよ。

新しい勉強法に目移りするより、今の方法を続けること。「貞にして厲なるも終に吉」——正しく続ければ、結果は必ずついてくる。

焦らずに、基礎から着実に積み上げる人が最終的に試験に強い。今のペースを守って。

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天水訟 六三を旅行でどう読むか

旅は安全・実績のあるルートを選んで

小吉

新しい冒険より、実績のある安全なルートや宿を選ぶことが吉よ。「旧徳を食む」——定評のある場所が今の旅には一番いいわ。

「終に吉」——安全な旅が最終的には最高の旅になるの。無理な計画は避けて。

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天水訟 六三を待ち人でどう読むか

待ち人は少し遅れても来る

小吉

待っている人は来るわ。ただ少し時間がかかるかも。今は焦らず、自分のいつもの生活を守りながら待って。

「終に吉」——待てば必ず来るから。今のあなたの「旧徳」——日頃の誠実さが、人を引き寄せるのよ。

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天水訟 六三を失せ物でどう読むか

失せ物はいつも置いている場所を丁寧に探して

小吉

いつも置いている場所、習慣的に使う場所を丁寧に探してみて。「旧徳を食む」——普段の習慣の中に答えがあるわ。

「終に吉」——落ち着いて探せば、必ず見つかるから。

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天水訟 六三を引越し・転居でどう読むか

引越しは慎重に。今の場所の良さも見直して

小吉

引越しや転居を考えているなら、今の場所の良さをもう一度確認してみて。「旧徳を食む」——今の環境にある良いものを大切にすることも大事よ。

引越しをするなら、実績のある不動産や信頼できる人の紹介を通じて。「終に吉」——慎重に進めれば良い結果になるわ。

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天水訟 六三を訴訟・争い事でどう読むか

争い・訴訟は実績ある方法で守りを固めて

小吉

「旧徳を食む」——今の訴訟・争いでは、実績ある弁護士・前例・法的な慣習に従って守りを固めることが大切よ。新しい戦略より、確実な方法を選んで。

大きな成果は望めないかもしれないけど、「終に吉」——守り通せば最終的には損害を最小限にできるわ。

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