上卦 坎
上六
九五
六四
下卦 震
六三
六二
初九

すいらいちゅん · 第3卦 · 上経

水雷屯

Difficulty at the Beginning

卦辞

屯、元亨、利貞、往くところあるに用うるなかれ、侯を建つるに利し

ちゅん、げんこう、りてい、ゆくところあるにもちうるなかれ、こうをたつるによろし

屯は大いに亨るが、今は動かず、人の助けを得て基盤を固める時

産みの苦しみ 始まりの困難 混沌 萌芽 辛抱 助けを求める 基盤固め
神龍
易子
神龍易子先生より

あなた、水雷屯を調べているのね。これはね、「産みの苦しみ」の卦よ。

苦しいでしょう? 思うように進まなくて、焦る気持ちもあるでしょう。でもね、この卦を調べているということは、あなたの中に確かな可能性があるということなの。芽が土を突き破ろうとしているときの、あの力強さよ。

大事なのはね、今は無理に動かないこと。そして一人で抱え込まないこと。信頼できる人に助けを求めなさい——それがこの卦の一番の教えよ。

水雷屯とは

水雷屯(すいらいちゅん)は、易経・六十四卦の第三卦です。上卦が「坎(☵)」水、下卦が「震(☳)」雷。雷が水の下で動こうとするが、上から水が押さえつけている——まさに産みの苦しみを象徴する形です。

「屯(ちゅん)」という字は、草が地面を突き破って芽を出そうとしている形を表す象形文字です。強い生命力があるからこそ、突き破ろうとする苦しみがある。つまりこの卦は、悪い卦ではなく「可能性が詰まった困難」なのです。

上経の第三卦にこの卦が置かれた理由は深い。天地(乾坤)が開かれた後、最初に生まれるのは「混沌」です。何かが生まれようとするとき、必ず産みの苦しみを経る——これは宇宙の法則です。

この卦が示すのは、焦って無理に動こうとしてはいけません。まず足元を固め、信頼できる人の助けを借り、じっくりと根を張る時です。困難は本物の萌芽のサインです。

卦辞の解説

原文(周易)

屯、元亨、利貞、往くところあるに用うるなかれ、侯を建つるに利し

ちゅん、げんこう、りてい、ゆくところあるにもちうるなかれ、こうをたつるによろし

屯は大いに亨るが、今は動かず、人の助けを得て基盤を固める時

元亨(げんこう)——可能性は満ちている
苦しい状況でも、元・亨の二徳が示すように根本の可能性と展開の力は十分あります。ただし利貞——正道に従い利をはかることが条件です。

往くところあるに用うるなかれ——動くな
困難の最中に強引に前進しようとすれば、さらに深みにはまります。今は動く時ではなく、耐えて準備を整える時です。

侯を建つるに利し——助けを得よ
「侯(こう)」とは諸侯=信頼できる協力者のこと。一人で抱え込まず、人の力を借りることが打開の鍵です。

六爻一覧

爻辞 よみ・意味 吉凶

第六爻

上六

馬に乗りて班如たり。泣血涟如たり

うまにのりてはんじょたり。きゅうけつれんじょたり

進むに進めず戻るに戻れない。血の涙を流すほどの苦しみ

大凶 爻辞の解説を見る

第五爻

九五

其の膏を屯す。小しければ貞なれば吉。大いなれば貞なれば凶

そのこうをちゅんす。すくなければていなればきち。おおいなればていなればきょう

恵みを分配する。小さな事なら正しくすれば吉。大きな事では慎重に

爻辞の解説を見る

第四爻

六四

馬に乗りて班如たり。婚媾を求む。往けば吉。利しからざるなし

うまにのりてはんじょたり。こんこうをもとむ。ゆけばきち。よろしからざるなし

引き返して協力を求める。縁談・協力関係を求めれば吉

爻辞の解説を見る

第三爻

六三

鹿を逐い虞なし。唯だ林中に入る。君子は幾として舎んとす。往けば吝なり

しかをおいぐなし。ただりんちゅうにいる。くんしはきとしてやめんとす。ゆけばりんなり

道なき森に鹿を追う。賢者は引き返すが、進めば恥をかく

爻辞の解説を見る

第二爻

六二

屯如、邅如。馬に乗りて班如たり。寇に非ず、婚媾す

ちゅんじょ、てんじょ。うまにのりてはんじょたり。あだにあらず、こんこうす

行き詰まり迷う。馬を駆けさせても戻ってくる。敵でなく縁者が助けに来る

中吉 爻辞の解説を見る

第一爻

初九

磐桓す。貞しきに居るに利し。侯を建つるに利し

ばんかんす。ていしきにいるによろし。こうをたつるによろし

踏みとどまり動かない。正しくあることと、援助者を得ることが吉

小吉 爻辞の解説を見る

構成する八卦

関連する卦

神龍
易子
神龍易子先生より

水雷屯はね、「始まりはいつも難しい」という宇宙の真理を教えてくれる卦なの。

わたしが相談を受けるとき、この卦を調べている人に伝えることがあるわ——「あなたの困難は、あなたが本物だという証拠よ」って。何も持っていない人には、産みの苦しみすらないんだから。

六爻を丁寧に読んでみてね。馬が行ったり来たりして婚姻を求める初爻から、ついに涙にくれる上爻まで——それが屯の物語よ。でも、最後の涙の後に、必ず夜明けが来るの。

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