すいちひ · 第8卦 · 上経
水地比
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卦辞
比、吉。原筮して元永貞なれば咎なし。寧からざる方より来る。後夫は凶
ひ、きち。げんぜいしてげんえいていなればとがなし。やすからざるほうよりきたる。こうふはきょう
比は吉。根本を占い永く正しくあれば咎なし。集まってくる者は迎えよ。遅れて来る者は凶
水地比とは
水地比(すいちひ)は、易経・六十四卦の第八卦です。上卦が「坎(☵)」水、下卦が「坤(☷)」地。大地の上に水が広がり、地のあらゆるところに水が沁み込んでいる——万物が親しみ、結びつく形を表します。
「比(ひ)」は「親しむ・寄り添う・比べる」を意味します。第七卦「地水師」が軍団として衆を率いる形なら、水地比はその衆が中心人物に自然と寄り添い・助け合う形です。師が「上から率いる」なら、比は「横に並んで共に歩む」イメージです。
注目すべきは「後夫は凶」という言葉。「後夫」とは機を逃した者のこと。仲間の輪が形成されつつあるのに、決断を遅らせてひとり残れば孤立する——これが易の警告です。
この卦が示すのは、信頼できる中心となる人や組織に、今すぐ縁を結ぶことが大切です。一人でいることより、互いに助け合う関係の中にこそ、この時期の吉があります。
卦辞の解説
原文(周易)
比、吉。原筮して元永貞なれば咎なし。寧からざる方より来る。後夫は凶
ひ、きち。げんぜいしてげんえいていなればとがなし。やすからざるほうよりきたる。こうふはきょう
比は吉。根本を占い永く正しくあれば咎なし。集まってくる者は迎えよ。遅れて来る者は凶
比(ひ)——親しみ寄り添う
力で従わせるのではなく、自然な親しみで結びつく関係——これが水地比の本質です。信頼と親愛の情が、人と人を本当につなぎます。
元永貞(げんえいてい)——根本・永続・正しさ
「原筮して」とは根本を占い直すこと。縁を結ぶ相手・組織を選ぶにあたり、その関係が根本から正しく・長続きし・誠実であるかを吟味することが大切です。
後夫は凶——決断を遅らせるな
人の輪は形成されると外からは入りにくくなります。機を見て迅速に縁を結ぶ決断力が、この卦の鍵です。
六爻一覧
| 爻 | 爻辞 | よみ・意味 | 吉凶 | |
|---|---|---|---|---|
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第六爻 上六 |
比するに首なし。凶 |
ひするにかしらなし。きょう 縁を結ぶのが遅く、先頭(首)に立てない。機を逃した孤立は凶 |
凶 | 爻辞の解説を見る |
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第五爻 九五 |
比を顕にす。王三たび驅を用う。前禽を失う。邑人は誡めず。吉 |
ひをあらわにす。おうみたびかりをもちう。ぜんきんをうしなう。ゆうじんはいましめず。きち 徳で親しみを示す。王が三方を塞ぎ一方を開けて狩りをする。去る者は追わず。吉 |
大吉 | 爻辞の解説を見る |
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第四爻 六四 |
外之に比す。貞なれば吉 |
そとこれにひす。ていなればきち 外にいながら正しい中心に親しむ。正道を守れば吉 |
中吉 | 爻辞の解説を見る |
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第三爻 六三 |
比するに匪人に比す |
ひするにひじんにひす 縁を結ぶ相手を間違えている。ふさわしくない人と親しむのは危うい |
凶 | 爻辞の解説を見る |
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第二爻 六二 |
之に比す。内より。貞なれば吉 |
これにひす。うちより。ていなればきち 内側から自然に親しむ。外からではなく心からの結びつきが吉 |
吉 | 爻辞の解説を見る |
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第一爻 初六 |
孚ありて之に比す。咎なし。孚ありて缶に盈つれば、終に他の吉来たる |
まことありてこれにひす。とがなし。まことありてほとぎにみつれば、ついにたのきちきたる 誠実な心で親しむ。器に誠実さが満ちれば、外からも吉が来る |
吉 | 爻辞の解説を見る |
構成する八卦
関連する卦
易子
水地比でわたしが好きなのはね、九五の爻よ。「比を顕にす。王、三驅を用う」——王が狩りをするとき、獲物の逃げ道を三方だけ塞いで、一方は開けておく。
これはね、強制ではなく自発的に集まることを促す思想よ。来たい者が来る、去りたい者は去る——そういう懐の深さが、本当の中心人物の器だということ。
あなたも誰かにとっての「中心」になれるかもしれない。あるいは今はそういう中心に引き寄せられる時かもしれない。どちらにしても、この卦が示すときは、縁を大切にね。
易子
あなた、水地比を調べているのね。これはね、「人との縁を結ぶ」卦よ。
今、あなたの周りに信頼できる人はいるかしら? あるいは、これから縁を結ぶべき人やグループがあるかもしれない。水地比は「一人でいるより、良い仲間のそばにいなさい」という卦なの。
でも「後夫は凶」という言葉を忘れないでね。ためらっていると、その縁は閉じてしまうわ。機が来たと感じたら、決断が大事よ。