易のいろは

第8卦 · 上経

水地比すいちひ

Holding Together

親密に結びつく卦。信頼できる中心人物のもとに集まり、互いに助け合うことで吉を得る。

  • 親しむ
  • 連帯
  • 助け合い
  • 団結
  • 仲間
  • 中心に寄り添う
  • 遅れるな
水地比の卦図

卦のかたちを知る

水地比の基本構造

第8卦水地比
上卦(外卦)坎 かん · 水
下卦(内卦)坤 こん · 土

案内役 神龍易子

神龍易子と水地比を読む

あなた、水地比を調べているのね。これはね、「人との縁を結ぶ」卦よ。

今、あなたの周りに信頼できる人はいるかしら? あるいは、これから縁を結ぶべき人やグループがあるかもしれない。水地比は「一人でいるより、良い仲間のそばにいなさい」という卦なの。

でも「後夫は凶」という言葉を忘れないでね。ためらっていると、その縁は閉じてしまうわ。機が来たと感じたら、決断が大事よ。

原典を読む

水地比の卦辞

原文・読み・現代語訳を分けて示し、言葉の種類を混同せずに読み進めます。

原文

比、吉。原筮して元永貞なれば咎なし。寧からざる方より来る。後夫は凶

読み

ひ、きち。げんぜいしてげんえいていなればとがなし。やすからざるほうよりきたる。こうふはきょう

現代語訳

比は吉。根本を占い永く正しくあれば咎なし。集まってくる者は迎えよ。遅れて来る者は凶

比(ひ)——親しみ寄り添う

力で従わせるのではなく、自然な親しみで結びつく関係——これが水地比の本質です。信頼と親愛の情が、人と人を本当につなぎます。

元永貞(げんえいてい)——根本・永続・正しさ

「原筮して」とは根本を占い直すこと。縁を結ぶ相手・組織を選ぶにあたり、その関係が根本から正しく・長続きし・誠実であるかを吟味することが大切です。

後夫は凶——決断を遅らせるな

人の輪は形成されると外からは入りにくくなります。機を見て迅速に縁を結ぶ決断力が、この卦の鍵です。

卦全体を理解する

卦全体の理解

一

水地比(すいちひ)は、易経・六十四卦の第八卦です。上卦が「坎(☵)」水、下卦が「坤(☷)」地。大地の上に水が広がり、地のあらゆるところに水が沁み込んでいる——万物が親しみ、結びつく形を表します。

二

「比(ひ)」は「親しむ・寄り添う・比べる」を意味します。第七卦「地水師」が軍団として衆を率いる形なら、水地比はその衆が中心人物に自然と寄り添い・助け合う形です。師が「上から率いる」なら、比は「横に並んで共に歩む」イメージです。

三

注目すべきは「後夫は凶」という言葉。「後夫」とは機を逃した者のこと。仲間の輪が形成されつつあるのに、決断を遅らせてひとり残れば孤立する——これが易の警告です。

四

この卦が示すのは、信頼できる中心となる人や組織に、今すぐ縁を結ぶことが大切です。一人でいることより、互いに助け合う関係の中にこそ、この時期の吉があります。

初爻から上爻へ

水地比 六爻の流れ

  1. 一初爻

    初六

    誠実な心で親しむ。器に誠実さが満ちれば、外からも吉が来る

    吉
    初六を詳しく読む
  2. 二二爻

    六二

    内側から自然に親しむ。外からではなく心からの結びつきが吉

    吉
    六二を詳しく読む
  3. 三三爻

    六三

    縁を結ぶ相手を間違えている。ふさわしくない人と親しむのは危うい

    凶
    六三を詳しく読む
  4. 四四爻

    六四

    外にいながら正しい中心に親しむ。正道を守れば吉

    中吉
    六四を詳しく読む
  5. 五五爻

    九五

    徳で親しみを示す。王が三方を塞ぎ一方を開けて狩りをする。去る者は追わず。吉

    大吉
    九五を詳しく読む
  6. 六上爻

    上六

    縁を結ぶのが遅く、先頭(首)に立てない。機を逃した孤立は凶

    凶
    上六を詳しく読む

六爻の本文は既存の現代語訳 trans を改変・短縮せず表示しています。

案内役 神龍易子

六爻を振り返る

水地比でわたしが好きなのはね、九五の爻よ。「比を顕にす。王、三驅を用う」——王が狩りをするとき、獲物の逃げ道を三方だけ塞いで、一方は開けておく。

これはね、強制ではなく自発的に集まることを促す思想よ。来たい者が来る、去りたい者は去る——そういう懐の深さが、本当の中心人物の器だということ。

あなたも誰かにとっての「中心」になれるかもしれない。あるいは今はそういう中心に引き寄せられる時かもしれない。どちらにしても、この卦が示すときは、縁を大切にね。

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