上経(じょうけい)
易経 第1卦〜第30卦|天地・陰陽・自然の理を説く
易経の六十四卦は、古来より上経(第1〜30卦)と下経(第31〜64卦)の二部に分けられています。上経は乾(天)と坤(地)に始まり、宇宙の根本原理・自然の法則を主なテーマとしています。下経が人間の感情・社会・関係を扱うのに対して、上経はより根源的・形而上学的な世界を描きます。
☰ 上経(第1〜30卦)
- 始まりの卦:乾為天(第1卦)
- 終わりの卦:離為火(第30卦)
- 卦の数:30卦
- 主なテーマ:天地・陰陽・自然の理
- 開始の象意:乾(天・陽)と坤(地・陰)
☵ 下経(第31〜64卦)
- 始まりの卦:澤山咸(第31卦)
- 終わりの卦:火水未済(第64卦)
- 卦の数:34卦
- 主なテーマ:人間・感情・社会・関係
- 開始の象意:咸(感応・男女の出会い)
上経のテーマ性
上経は乾(天・陽)と坤(地・陰)という宇宙の二大原理から始まります。この二卦はすべての卦の根源であり、易経全体の土台をなすものです。
第3卦「水雷屯」から物事が生まれ始め、困難・争い・集結・礼など、天地の間に展開するさまざまな状況が描かれます。上経は宇宙論・自然哲学を主軸とし、人間の感情よりも原理・法則に重きを置いています。
上経の30卦は「天火」を象徴する離(第30卦)で締めくくられます。乾の天に始まり、離の太陽の光で終わる——これは宇宙が光に満たされた状態、いわば「陽の世界の完成」を示すとも解釈されます。
なぜ30卦と34卦に分かれるのか
上経が30卦、下経が34卦と均等でないのは、易経の編纂者が意図的に構成した結果とも、自然な流れの結果とも言われ、諸説あります。
一説では、上経の30という数は「天の数」(奇数の合計:1+3+5+7+9+5=30)に対応し、下経の34は「地の数」(偶数の合計)との関連が指摘されています。いずれにせよ、この非対称な構成が易経に深みを与えていることは確かです。
上経 三十卦 一覧
1
乾為天
けんいてん
2
坤為地
ちいこん
3
水雷屯
すいらいちゅん
4
山水蒙
さんすいもう
5
水天需
すいてんじゅ
6
天水訟
てんすいしょう
7
地水師
ちすいし
8
水地比
すいちひ
9
風天小畜
ふうてんしょうちく
10
天澤履
てんたくり
11
地天泰
ちてんたい
12
天地否
てんちひ
13
天火同人
てんかどうじん
14
火天大有
かてんたいゆう
15
地山謙
ちさんけん
16
雷地豫
らいちよ
17
澤雷随
たくらいずい
18
山風蠱
さんぷうこ
19
地澤臨
ちたくりん
20
風地観
ふうちかん
21
火雷噬嗑
からいぜいごう
22
山火賁
さんかひ
23
山地剥
さんちはく
24
地雷復
ちらいふく
25
天雷无妄
てんらいむもう
26
山天大畜
さんてんたいちく
27
山雷頤
さんらいい
28
澤風大過
たくふうたいか
29
坎為水
かんいすい
30
離為火
りいか
神龍
易子
神龍易子先生より
易子
上経の30卦、ぜんぶ見てくれた?どの卦もね、それだけで一冊の本が書けるくらい深いのよ。
わたしがよく言うのはね、難しく考えなくていいってこと。「乾は天・陽・龍のエネルギー」「坤は地・陰・受け取るもの」——まずそれだけわかれば十分。あとは実際に易を立てながら少しずつ感覚をつかんでいけばいいの。人間の心の話が続く下経も、ぜひ読んでみてね。
下経(第31〜64卦)へ
人間・感情・社会・関係を主なテーマとする34卦
易子
上経って、いきなり「天」から始まるのよ。宇宙の始まりから語り起こすなんて、すごいスケール感だと思わない?
わたしはね、易経を初めて読んだとき、乾(天)と坤(地)が向かい合っているところから「ああ、これはただの占い本じゃないな」って感じたの。陽と陰、剛と柔——この二つが揃って初めて世界が動き始める。それが上経の最初の2卦に込められてるのよ。
30卦と34卦に分かれる理由がうんちく的に気になる人もいるわよね(笑)。でもね、大事なのは「上経は宇宙・自然の話、下経は人間の話」って感覚をつかむことだと思う。その感覚があると、卦を引いたとき「この卦は自然の法則として何を言ってるんだろう」って受け取れるようになるの。